これまで、リフレクソロジーの目的や適応、禁忌などを解説してきましたが、適切に施術することで身体にはどのような影響があるのでしょうか。《レクチャー編》の最後は、療養環境で行うからこそ知っておきたいリフレクソロジーの効果・作用についてまとめます。
補完代替療法の1つとして効果・作用機序を理解しておく!
リフレクソロジーの施療が身体に影響を及ぼす作用機序には、以下の4つが考えられます。
- 神経反射経路に刺激を与える 足には神経の末端が多くあり、末端で刺激することにより→脊髄→筋肉・腺に反応する。刺激することで中枢神経にメッセージを送り、そこから必要な部位に適切な刺激が伝達される
- 血液・リンパ液の循環改善 足部への圧力刺激、つまり皮下組織、筋肉へのミルキングアクションが末端部の血液、リンパ液の停滞を取り除き排泄改善を図る。これにより各臓器の循環改善につながり機能向上、身体の恒常性、免疫力の増進にもつながっていくと考えられる
- リラクセーション反応による効果 リラックスできることで、健康に対し前向きな姿勢をもたせ、心身ともに副交感神経優位な状態となるため、それに伴うさまざまな身体反応が機能し始める
- プラセボ効果(心理効果) 施術時間中は、患者さんにとって自己の身体を見つめ直すとても大切な時間となる。施術者との信頼関係から生まれる心理的効果はプラセボとして考えたとしても非常に重要なものとなりうる
こうした作用機序によって末梢循環の改善が促されることで、下表のようにさまざまな効果が期待できます。すべては作用機序を基にすると考えられる恒常性からのメカニズムです。
つまり、リフレクソロジーは決して不思議なパワーをもつものではなく、システマティックな考え方ができる療法といえるのです。
※続いては、自宅で簡単にできるアロママッサージクリームのつくり方を伝授します。
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自宅で手軽にセルフケア!
簡単アロママッサージクリームのつくり方
香りとその成分で心身をリラックスさせてくれるアロマセラピーは、日々のストレスコーピングにぴったりな方法の一つです。患者さんのケアに用いる前に、まずは看護師自身がその心地よさを体感しておくとよいでしょう。
療法として患者さんに施術する場合には、精油の効能や使い方、禁忌などが意外と複雑なため、きちんと基礎知識を学んで行う必要がありますが、自分自身の気分転換を目的にするのであれば、それほど難しく考える必要はありません。効能よりも、その日の気分で自分の好きな香りを選び、その香りを楽しむことがいちばんです。
それでは、手軽にできるアロママッサージクリームをつくってみましょう。まず、市販の保湿クリーム(500円玉大の量)を用意します。
そこに自分の好きな精油を1滴たらし、よく混ぜ合わせます。
精油は、筋肉疲労を解消してすっきりしたいならミント系、老廃物を融解し、爽快感を得たいならレモンやオレンジなどの柑橘系、保湿効果を高めたいならゼラニウムなどがお勧めです。
それを足や手にとってよくマッサージします。吸収の早いクリームやジェルなどを使えば拭き取りの手間がなく、長く香りの効果も楽しめます。
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※次回からは、リフレクソロジー実践編として、実践テクニックを解説します。
(『ナース専科マガジン』2006年8月号・2010年12月号より改変利用)