【成人】Aさん(55歳、男性)は、仕事中に胸痛発作に襲われ、急性心筋梗塞で緊急入院した。入院直後に、経皮的冠状動脈形成術(PTCA)を受けた。Aさんは順調に回復し、入院5日目には心臓リハビリテーションの計画に沿って、病棟内のトイレまで歩行ができるようになった。Aさんは「さっきトイレに行ってきたけれど、調子が良いから中庭を散歩しても大丈夫ですか」と笑顔で尋ねた。その日のAさんの状態は、体温36.6℃、呼吸数18/分、脈拍84/分、血圧134/84mmHgであった。
Aさんへの看護師の対応で適切なのはどれか。
1.調子が良いなら大丈夫だと話す。
2.脈拍が90/分になるくらいのスピードで歩くよう指導する。
3.心電図モニターの電波が届かない中庭には行けないと話す。
4.歩行範囲は計画に沿って拡大していく必要があることを説明する。
―――以下解答―――
(解答)4
<解説>
1.(×)心臓リハビリテーションを行った結果、トイレまで歩けるようになった段階である。調子がよいからといってリハビリを経ずに次の段階へ進んではならない。
2.(×)心臓に負荷のかからない歩行スピードであったとしても、リハビリを経ずに行動範囲を拡大してはならない。
3.(×)リハビリを経ずに行動範囲を広げてはならないのであって、モニターの電波が届かないから行動範囲を広げてはならないというのは理由にならない。
4.(○)歩行範囲は計画に沿って拡大していく必要がある。