ジャングルカンファレンスって…?
ジャン…グル…?
「ジャングルカンファレンス」とは、様々な分野で活躍する治療家が集い、実際の症例に対しての治療アプローチ・見解を、出し合い共有する会。「こういう治療法がある」「こうしたアプローチ法はどうか」など、さまざまな意見を共有することが目的なので、治療方針などを決定していく一般的な医療従事者によるカンファレンスとはちょっと様相が異なります。
こんな分野の方が参加しています
鍼灸師、柔道整復師、臨床心理士、看護師、医師、リフレクソロジスト、作業療法士、薬剤師、自然療法士…等々ジャングルカンファレンスに参加することで、①新たな治療の可能性を学ぶ、②代替医療全般の知識が増える、③他分野の専門家・医師とのつながりができる、といったメリットがあるのだとか。
ジャングルカンファレンス、初☆参加の看護師AKMがレポートします!
今回のお題は…「アレルギー性気管支肺アスペルギルス症」!
今回の事例:60代女性
- 主訴:咳がでて辛い
- 診断:アレルギー性気管支肺アスペルギルス症
- 既往:慢性皮膚炎
- 経過:30年前から皮膚炎に悩まされている。ステロイドや民間療法を試み、良くなったり悪くなったりを繰り返していた。
- その他:夫と同居
カンファレンス開始直後は、今回の事例の方の、その他の身体症状やこれまでの治療法、血液検査データなどについての質問が相次ぎました。
携帯電話で用語などを調べながら参加されている方も…私も「もっと勉強が必要だな~」と感じました。
はじめは何度も参加されて慣れている方の発言が多いような印象でしたが、次第に初参加の方々からの発言も活発に。こんな質問や意見が出てきました。
- 住居環境に問題があるのではないか(薬剤師)
- 介護の公的サービスを利用しているか・していなければケースワーカーなどの介入が必要ではないか(鍼灸マッサージ師)
- 患者は治療のために数日家を空けることもあるが、その間の介護は誰がしているのか?(内科医)
- もしも介護の話が事実と異なっている場合、その話をする患者の想いはどこにあるのか(カウンセラー)
それぞれの治療家がそれぞれの観点から質問し、患者を紐解いていこうとしていきます。でも、どの職種も「情報収集をし、得た情報からアセスメントしていく」といった点では、看護師の考え方と同じなんだなと思いました。
ちなみに、カンファレンスを始める前に「ジャングルカンファレンスの概要・ルールについて」30分程度のセミナーがあるので、初参加でも大丈夫!また、カンファレンスでは「発言をしてもしなくても良い、情報を得て知識などを深めていくことも大切」というスタンスを取っているので、「何か発言しなくてはっ」と気負う必要もありませんでした。
カンファレンス終了後は、懇親会(もちろんお酒あり☆)。ビールで乾杯後、軽食をお供に、先ほどのカンファレンスの内容を深めたり、名刺交換をしたりなど、交流を深めました。
思ったこと
日々病院で、疾患そのものや、病棟での患者さんばかりを見ていると、つい「患者さんを全人的に捉える」ということを忘れがちになってしまうこともあると思います。ジャングルカンファレンスで、さまざまな専門家の視点から、患者の状況を理解しようと質問が飛び交い、だんだんと患者像が浮き彫りになっていく…という過程に触れて、改めて「患者さんを全人的に捉える」ということを考えさせてもらいました。
多くの専門家の生の意見を聞ける貴重な場!次回カンファレンスは…
東京(代々木)会場では、奇数月(1・3・5・7・9・11月)の第2木曜日に開催されています。最新情報は、統合医療カンファレンス協会の公式サイトでチェック!
取材・執筆/看護師 AKM
編集/ナース専科編集部 川口萌