テーマ:初めての上京、ひとり暮らし
遠くのランドマークを眺める日々
新人男性看護師が故に…
就職して都内の病院の寮に住むことになりました。同期は自分以外女性で、友達もいませんでした。
はじめての仕事、はじめての土地にわくわく、ドキドキしていたのを覚えています。
いろんなことを経験して、学んで、覚えて、それを活かすために経験して、学んでを繰り返していました。毎日が目まぐるしく過ぎていき、わくわくやドキドキは消え、疲れ、辛さでうつうつとするようになりました。
寮は異性を入れることが禁止となっていましたので、同期達が自室で飲み会をしても、自分は行くことができず、外で飲むと愚痴が言えないため、外で同期と飲むこともなく、自室で一人、誰とも話すこともなく、毎日が過ぎ去っていきました。
毎日不安と緊張で怯え、モニターがなると脈はあがり…最悪な状態になっていきました。
しかし、何ヵ月かした夜勤の時に、ふっと外を眺めると都会の夜って感じでランドマークが輝いてきれいだなぁと気づきました。
景色を見れたという「心の余裕」
その時、なにか言葉ではうまくあらわせないけど、でも目まぐるしく過ぎていく毎日をなんとなく振り替えることができ、涙が出たことを覚えています。一人暮らしを始め、仕事に追われ、寂しくて、辛くて、でも、少し回りを見る余裕ができて、穏やかな気持ちになれ、自分も少しだけど成長したような気持ちになりました。
始めての一人暮らしは、みんなこんな風になるのかなぁと思います。目の前のことでいっぱいいっぱいになるのかなぁと思います。
そんなとき、ふっと回りを見たら違った景色が見えて、穏やかな気持ちになれるかもしれません。
私にとってはランドマークの光が穏やかな気持ちを運んでくれました。