テーマ:患者家族との印象に残るエピソード
大きな字で
「久しぶりに字が読める!」
糖尿病の患者様で殆ど視力を失ってしまった方でした。
でも文字を読むことが好きだったとのことで、少しでも元気を出してほしいと思い、大きな画用紙に絵と文字を書き、大きな本を作りました。
渡したときに「久しぶりに字が読める!」と大変喜んでいただき、何度も何度も読み返してくれていました。
ご遺族からの手紙に…
容体が安定したので、その方は退院されましたが、退院し1年程経った頃にその方の家族から一通の手紙が届きました。
それはその方が亡くなったことを知らせてきた手紙でした。
でもその中に、「退院してからも毎日何度も何度もその本を読んでいて、ずっと離さずそばに持っていました。とても嬉しかったんだと思います。本当にありがとうございました」と書かれていました。
私は静かに涙を拭きながら、ご冥福を祈りつつ、その手紙を何度も読みかえしていました。