外国人患者さんに英語で対応できる? アメリカの医療現場で実際に使われている、患者さんにもすんなり伝わる簡単な医療英語をマスターしよう!
患者さんに一番近い存在の看護師は、「今日はどうされましたか?」から始め、症状を聞いて患者さんにおこっている健康問題の把握を行います。外国人の患者さんに対してもコミュニケーションを通して主観的情報を収集し、客観的情報と合わせて全身状態の把握が必要ですね。
今回は、急性心筋梗塞の症状の聴取に必要なフレーズを紹介します。
急性心筋梗塞の治療のPOINTは、早期診断と早期治療です。
急性心筋梗塞の患者さんが、来院してから冠動脈の閉塞部位の再灌流までの時間:DTBT(Door To Balloon Time)は、循環器のガイドラインにより90分以内が望ましいとされています。DTBTが早ければ早いほど救命率は上がり、その後の社会復帰に影響を及ぼします。
看護師は、すぐにバイタルサインの測定と12誘導、点滴ラインの確保や心筋梗塞の初期治療として知られるMONA(モルヒネ、酸素、硝酸薬、アスピリン)1)投与の準備・実施を行います。同時にOLDCART2)に沿った症状のアセスメントを行います。
若年層でも心筋梗塞は起こります。
心筋梗塞を疑う若い外国人患者さんが来た場合、心筋梗塞のリスクファクターに関わる3つの質問があります。それは、喫煙・川崎病の既往・違法薬物の使用です。
今回は、違法薬物の使用について確認します。
本日のフレーズ
「もしよろしければ、あなたの胸痛の原因は何か、そして、診断や治療の手助けになるかもしれない質問をさせていただけますか?
その質問は、大麻やコカインなどの違法薬物の使用経験についてです。
大麻やコカインを常用している、または、最近使ってはいないでしょうか?」
特に若年層でみられる心筋梗塞のリスクファクター:違法薬物の使用について確認しましょう。
違法薬物の使用に関する質問は、私たちが医療を提供するうえで必要な情報であることと、患者さんの羞恥心や後ろめたい気持ちを十分に配慮して行う必要があります。
さて、みなさんはどう英語で表現しますか?
1)MONAとは、Morphine, Oxygen, Nitrate, Aspirinの頭文字をとった心筋梗塞の初期治療です。
2)OLDCARTとは、Onset(発症),Location(症状のある部位),Duration(症状のある持続時間),Character(症状の性質), Aggravating/Alleviating factor(増悪・軽減要因),Radiation(症状の広がり),Timing (症状がいつ起こるのか) の頭文字をとった症状のアセスメントツールです。