• 公開日: 2016/2/13
  • 更新日: 2018/12/13

会社員だった私が、震災をきっかけに…

テーマ:だから私はナースを選びました

知らない誰かのために

syakai

身近な人を大切にする

私は、会社員でした。
会社の人、会社の取引先の人、家族(ペットも含む)、友人、恋人、先輩、後輩など”自分の知っている人”の為に生きていました。
「いつも私を支えてくれる身近な人を大切にする事は、とても重要で価値がある事だ」と思っていたからです。
勿論今もそう思っています。

東日本大震災で変化した価値観

だけど、東日本大震災があった時、その価値観が少し変化したのです。
「自分が知らない、あったことのない人の人生の為に努力した事はあるのだろうか?」とふと思ったのです。
大人になって就職して広い社会に出て、そこで分かったのは、「自分が、知らない誰かによる大きな仕組みの中で支えられている」という事でした。

「知らない誰か」のために

震災数日後に、今何が必要なのかを市のサイトで調べ、救援物資の水を被災地に送ったり、募金をしたりして過ごす中で、今までと違う自分を見ました。
何か重要な事に気付いたような気がしたのです。
「社会に出て働くという事は、顔も名前も知らない誰かを思って生きるという事なのかも知れない」と思いました。
看護師は、直接患者さんと会話・援助・診療の補助等を行いますが、患者さんは自分にとって友人や上司、家族ではありません。
始まりは、”知らない誰か”です。
その知らない誰かの治療の事、退院後の事、経済的な事、家族の事等様々な事を考慮して関わる事は、私の気付きを意味あるものにすると感じました。
あの時の気持ちを忘れないで生きられるよう、身近な人達だけでなく、”知らない誰かのために”毎日働く看護師になりたいと考えました。

●執筆●はしもと さん

このエッセイは 「ナースエッセイ」 にご応募いただいたものです。
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