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【連載】泣いて笑って訪問看護

第3回 『緊急対応』―一人で訪問する不安

  • 公開日: 2014/1/6
  • 更新日: 2020/3/26

 

医療の場が在宅へと比重が高まるものの、まだまだ知られていない訪問看護。ここでは訪問看護の実際について、エピソードを通じてご紹介します。


緊急対応を求められたら…

訪問看護に足を踏み入れる時に、まず不安になるのは一人でまわることではないだろうか?

更には訪問時に急変していたらと想像すると、一人で対応するのはちょっと…と思ってしまうのも無理はないかもしれない。

訪問四年目になった今でさえ、緊急の連絡が入ると緊張が走るのも事実。

しかし、その方がどんな状況で緊急自事態になっているのかを把握できれば、訪問に向かうまでの間にいろんなアセスメントができるため、漠然とした不安はなくなっていく。

特に、私の施設は所長が緊急のファーストコールを受けているため、アセスメントつきで緊急出動の依頼をこちらに流してくれるので助かるのだ。

『○さんから苦しいと連絡がありました。最近、風邪気味だったようです。狭心症のような症状はなさそうです。便は四日止まってるそうなので、便秘からくる腹痛や呼吸症状かもしれません』など。

運転しながら頭を整理して現場に向かう。

とはいえ、訪問でできることは正直限られている。

バイタル測定をし、在宅でみられるレベルかまずは判断。

意識が低下していれば、医師に連絡し、低血糖からなのか頭からなのか、心臓からなのかなど相談し、往診医が駆け付ける場合もあれば救急搬送することもある。

しかし、苦しくなっている原因が排泄に関係していることも多い。

その場合は摘便なり膀胱洗浄なりをする。呼吸状態が悪ければ排痰を促すドレナージと体位の工夫。熱が出ていればクーリング。不定愁訴で原因がはっきりせず、身体が固くなっている場合はマッサージをして循環を高め、様子をみることもある。

ともかくあらゆる方向からアセスメントし、対応する。しかし、それでも状況が改善しない場合は医師に連絡をとり、現状報告をして指示を仰ぐ。

一人での訪問は独りではない

確かに現場では一人だが、相談する医師や所長は電話の向こうにおり、在宅レベルでなければ救急搬送し、病院にバトンタッチをすれば良いのだ。

在宅医療は、そうやって眼には見えないサポートでつながっているのである。

現在、救急車を簡単に呼んでしまうことで、本当に重症な方の救急搬送が間に合わないなどの社会的な問題も出てきている。

しかし、緊急車を呼ぶ方々は、皆が皆、簡単に呼んでいる訳ではなく、緊急性の判断ができずにパニックになっていることも多いのだ。

緊急で訪問し、家族や本人が「もう緊急車を!」と騒いでいても、意外に話をゆっくり聞いているうちに落ち着いてしまったり、救急搬送レベルでないことも多い。

私達、訪問看護師が訪問をすることで、逆に救急車の出動率が減り、結果として社会的にも貢献できる―。

そうなれば理想だなと感じている。

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