• 公開日: 2015/8/26
  • 更新日: 2018/12/13

しんどい時こそ、面白がっちゃえ!

テーマ:看護師になって辛かったこと

牛乳のシャワー

essay ikari

精神科勤務

精神科看護師として働いていたころの話です。
今までむちゃくちゃな患者にぶち切れることは星の数ほどありました。
しかしある時からぶちきれそうになる時、心の反応に変化が出てきました。

保護室に入院となった患者さん

ある時ものすごく精神状態が悪く、救急隊員に四肢抑制されながら入院してきた患者さんが来ました。
その患者さんはとっても不安が強く混乱状態であったため、すぐに保護室に入院しました。室内には周囲の刺激を避けるためベットとトイレと窓しかないです。
内側からは自動ロックで扉が開かないので、スタッフが積極的に訪室して閉塞感や不安感を感じないように配慮しなくてはいけない。
急性期の患者に治療上もっとも重要なスペースなんです。
その保護室はスタッフと患者の間で数々のドラマを生んできました。
毎日ドラマでいっぱいです。そんなある日の夜勤でした。

牛乳をかけられて…

やはり保護室に入ったまだ落ち着かない患者さんへのケアが中心となりました。
スタッフに安心感を抱けるよう、接近の距離や言葉一つ一つに気を配り関わりました。患者さんは夜間ぐっすり眠り、そして朝になりました。
もちろん我々は夜勤なので寝ていません。朝方の看護師はみんな軽くハイ状態です。
眠気と疲れが溜まりちょっとしたことでむかつきやすいと共に、妙にテンションが高かったりします。そしてその時も素敵な事件がありました。
朝ご飯を患者さんの所に持って行ったのですが、保護室の患者さんは食事に集中できません。
せめて牛乳だけでもと牛乳の口を開けて飲ませようとした時、あろうことか患者さんはキラリと眼光するどく、一瞬で牛乳を奪い取り、私の頭に気持ちよさそうにかけてきました・・・
うーわーぁぁぁ・・・スローモーションが流れました。久しぶりにかけられたぁぁぁ・・・でも牛乳は初めてだぁぁぁ・・・
もちろん患者さんを怒るわけにはいきません。患者さんは不安感が強く混乱状態のためしたことです
やり場のない気持ちの中、私はこの時面白がっていました。
牛乳をかけられるのなんて初めてだぁぁぁ・・・こんなこと日常じゃあ絶対体験できないぞぉぉぉ・・・
なんだかすっごい体験しちゃったぞぉぉぉ・・・おもしろーーーい・・・
牛乳で身体も臭くなり、髪がぱさぱさになりながらも私は帰るまで楽しんでいました。

しんどい時こそ

夜勤の朝って怖いですね・・・でも、危機的状況を面白がれる時仕事が楽しくなります。すごい体験してる私!人に自慢できるよ、いや自慢できることか?って。
声を大にして皆さんに伝えたいです。
みなさーん、しんどい時こそ思いっきり面白がりましょうー!

●執筆●こはま さん

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