テーマ:新人時代の思い出
OLナース
医師からの叱責
20余年も前、田舎の病院だったこともあり、今以上に、お医者サマサマの世界でした。医師に意見することなどもってのほかで、言われたことを、日々、黙々とこなしていくだけのような仕事でした。
当時、初めての腹膜潅流透析導入の患者様がいました。導入期であるにもかかわらず、血液検査をほとんどやらない(一週間以上、検査が入っていませんでした)ので、患者様自身も不安に思っていました。私も、勉強して導入期は、検査頻度がもう少し多い方がいいと思っていたので、医師に質問し、検査をお願いしました。その結果、医師に叱責されました。残念ながら、先輩ナースも看護婦長(当時は、看護師長でなく看護婦長でした)も、誰一人、私をかばって、医師に意見してくれる人はいませんでした。
自分たちを揶揄した表現
ナースステーションで、先輩ナースや他のスタッフもいる前で、医師に怒鳴られているときに実感したのが、当時の先輩のひとりが言っていた「OLナース」でした。
OLの方々を揶揄するわけではないのです。ただ、言われた事だけ、淡々と腰かけ仕事のようにこなすのが、無難だと、自分たちを揶揄していた言葉です。
自分の意見は持たず、医師の指示を淡々とこなす。うまく言えませんが、当時の、その病院では、そういうスタンスでなければ、仕事がうまくいかなかったようです。
結局、私にはそれができなくて、数年後、その病院を退職しました。
退職するまで、その件の医師には生意気だと言われていました。
今では、そこに残って、自分が、その医師に意見が言えるようになるまで頑張る道もあったとは思います。かなり、疲弊していたかもしれませんが。
ですから、後悔はありません。
医師とコメディカルの間にある、深い溝
関東の病院に就職して、そこまで閉鎖的な病院でなかったこともあり、今に至ります。
医師にも、上司にも、意見が言えるように、日々、仕事に励んでいます。
医師の指示を聞くことはもちろん大切ですが、患者様は、入院生活の面も含めて、医師には見えにくい一面を、看護師のほうが把握していることも多いと思っています。時には、その面を、治療に加味してもらえるように、医師に意見することも必要だと思っています。
まだまだ、チーム医療と謳われつつも、医師とコメディカルの溝が深いことも多々あります。
でも、患者様を最優先にした場合、自分に何ができるかを常に考えています。
結局、あの日、怒鳴ってもらって、よかったのかもしれません。