• 公開日: 2014/12/13
  • 更新日: 2018/12/13

がん患者になって気づく、患者が求める看護とは

テーマ:立場が逆転!ナースが「患者」になった時

乳がんになって

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患者同士の交流会に、患者として参加

小児科病棟の看護師として勤務していた39歳の時、乳がんと診断されました。
その後、看護師として仕事と治療を続ける中で、乳がん患者同士の交流会に参加するようになりました。

患者と看護師、両方の立場の板挟み。患者なのに相談を受ける…

初めは「看護師としての経験も活かせないか」という思いもありましたが、患者と看護師両方の立場であるつらさを感じるようになりました。
患者同士の会話の中で、「先生にこんな言い方をされた」、「看護師さんが声もかけてくれなかった」といった、病院への不満が出てくる中、“そうではなくて、病院の現状はこうなんですよ”と理解してもらおうとするものの、完全にアウェイの状態になってしまったり、正当化しようとしている自分に気づいたり。
また、患者同士だけど看護師でもあるという立場が壁になり、同等に悩みやつらさを吐き出せずに、患者さんの相談を受ける立場になってしまいました。
一方、治療のために病院に行くと、今度は患者として医師や看護師に接する立場になりました。診察室では緊張して医師へ質問もできず、患者は弱い立場だと感じました。

声をかけてほしかった…患者の孤独を思い知る

がんを告知をされた時のことです。告知の衝撃で混乱しているのに、どんどん手術や治療の説明が続けられて、私の気持ちは置き去りでした。
さらに待合室でうなだれていた自分のそばを、告知に立ち合った看護師が素通りしていった時、とても悲しく、寂しく孤独を感じました。一言声をかけてほしかったと感じます。

入院以前の、看護師としての自分を反省

でも、後になって冷静に考えたら、看護師としての自分もそうやって患者さんに接していたなと反省しました。どちらの立場も分かるだけに悩みました。
また、あくまでもスタッフ同士とはいえ、自分たち看護師が患者さんの病状や死に関する話題を気軽に話していたことを思い出し「絶対にしてはいけない」と思いました。

●執筆●こはま さん
このエッセイは 「ナースエッセイ」 にご応募いただいたものです。
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