【精神】Aさん(29歳、女性)は、20歳で短期大学を卒業するのと同時に就職したが「会社に行きたくない」と言い出して、2か月で仕事を辞めた。その後は、自宅で何もせずに過ごしていた。昼夜逆転の生活が長く続いたが、ある日、夜遅く帰宅した父親と就職のことで激しい口論となった。それ以来、昼も夜も起きていて、食事も摂らずに自室に引きこもり、ぶつぶつと独り言を言ったり、笑ったりするようになった。心配した母親に伴われて受診し、統合失調症と診断された。Aさんの表情は険しく、常に周囲を警戒している。医師が入院を勧めたが、Aさんは興奮し、母親にしがみつきながら「入院はいや。家に連れて帰って」と泣き叫んだ。さらに、診察室のドアの方に走って逃げようとしたため、看護師が制止しようとすると、Aさんはその看護師を突き飛ばした。
この看護師の対応で適切なのはどれか。2つ選べ。
1.大きな声で話しかける。
2.入院を拒否する理由を尋ねる。
3.母親に入院の説得を依頼する。
4.看護師と患者の身体の損傷に注意する。
5.患者と2人きりで話すことができる場所に移動する。
―――以下解答―――
(解答)2,4
<解説>
1.(×)大きな声で話すとAさんを刺激することになる。
2.(○)Aさんなりの入院拒否の理由があると考えられるため、確認する。
3.(×)Aさんは興奮しているため、説得に応じる可能性は低い。
4.(○)看護師と患者の身体の損傷に注意する。
5.(×)患者と2人きりでは危険である。たくさんの人数で対応するだけで患者は落ち着くことがある。