【小児】3か月の乳児。意識障害のため搬入された。母親は「昨日30cmの高さのソファから転落したが普段と変わりない様子だった。今朝になって様子がおかしいので救急車を呼んだ」と看護師に話す。頭部CTを施行後、医師から「頭蓋内に出血箇所が複数あり、意識障害を起こしている。このまま出血が広がるようなら手術の必要がある」と病状説明がされた。医師からの説明直後に、看護師が「ソファから落ちたのは昨日だったんですよね」と母親に確認すると、母親は「本当は3日前です。この子はよく動くので寝返りをうって落ちたんです。子どもが目を覚ましたらなるべく早く連れて帰りたいんだけど」と落ち着かない様子で話した。
この状況のアセスメントで最も適切なのはどれか。
1.子どもの状態と母親の説明とに整合性がない。
2.看護師が受傷日を聞き間違えている。
3.母親は受傷した日を勘違いしている。
4.母親は子どもの病状を理解している。
―――以下解答―――
(解答)1
<解説>
1.(○)子どもの状況と親の説明との整合性がない。説明内容が変化しているという親の態度は、児童虐待の判断として重要なアセスメントである。
2.(×)看護師が確認した際に、「本当は、・・」という母親の発言からも 、看護師の聞き間違いとは判断しにくい。
3.(×)受傷直後であれば、母親の興奮した心理的状況も理解することも大切であるが、今回のような場合では虐待の可能性を認識することが治療の第一歩ということもあり、勘違いとは考えにくい。
4.(×)母親が寝返りをうってよく動くために転落したというが、寝返りはおおよそ4~5か月でできること、また医師から説明で頭蓋内出血があり、出血が拡大すると手術の可能性があるといわれているのもかかわらず「早く連れて帰りたい」という発言から病状を正確に理解しているとは言い難い。