【老年】Aさん、92歳の男性。身長178cm、体重50kg。1年前から寝たきり状態で、82歳の妻と長男夫婦と同居している。食事はむせがあるが全介助で摂取できる。排せつは尿便にともになく、おむつを使用している。介護は妻が1人で行っている。最近急に活気がなくなり、食事量が減少し、下痢が続いたため入院した。入院時、体温37.6℃、脈拍数70/分、白血球9,200/μl。尿混濁が認められ尿臭が強い。水様便が5回/日。活気がなく食事は1/3程度しか食べていない。
この時点で必要とされるのはどれか。
輸液
経管栄養
膀胱洗浄
膀胱留置カテーテル
―――以下解答―――
(解答)1
<解説>
1.(○)食欲がなく、下痢が続いていることから脱水が考えられる。輸液による体液バランスの補正や維持が必要になる。
2.(×)食事が1/3ではあるが経口摂取できているため、現時点では経管栄養の必要はないが、今後も食事摂取量が少ないようであれば経管栄養を検討する必要がある。
3.(×)尿臭・尿混濁、発熱、白血球増多などがみられるため、尿路感染が考えられるが、膀胱洗浄よりも輸液で尿量を増やし、様子を見ることが優先される。
4.(×)脱水が考えられるため、尿量のチェックは重要であるが、膀胱留置カテーテルは感染の機会を増やしてしまう危険性があるので不適切である。