【老年】76歳の男性。1人暮らし。妻とは死別し1人娘は結婚して遠方に住んでいる。高血圧症と糖尿病の既往がある。3週間前から全身倦怠感とがいそうとが出現し、受診の結果、肺炎と診断されて2週間前に入院した。抗菌薬の投与によって症状は改善したが、血糖値が安定しないため退院が延期となった。その頃から看護師に繰り返し何度も同じことを言ったり、会話中に突然怒り出したりする言動がみられた。最近は、入院していることがわからず院内をうろうろしたり、毎日カレンダーを見ているが月日や曜日がわからない。
この状況から最も考えられるのはどれか。
難聴
躁状態
構音障害
見当識障害
―――以下解答―――
(解答)4
<解説>
1.(×)患者が聞こえにくい状況は示されていないので難聴は否定される。
2.(×)躁状態では、気分が高揚して多弁・多動となったり、誇大的な妄想を抱いたりする。
3.(×)発声・発語にかかわる口唇・舌・喉頭などの障害が構音障害である。
4.(○)見当識障害は、今日の日付、季節、現在いる場所や時刻などがわからなくなる障害である。