【老年】Aさん、78歳の女性。3年前、夫が他界した後、アルツハイマー病を発症し、同居家族だけでは介護が困難となり、介護老人保健施設に入所してきた。自分の部屋が分からず廊下を歩いている。食事は配膳しても箸を取らずに眺めている。午前中に家族に伴われ入所してきたことも覚えていない。職員がお茶を勧めると表情はこわばり緊張しているが「ありがとう。あなたもいかが。」と話している。
この時点で最も維持されているのはどれか。
記憶
見当識
情緒・感情
食欲
―――以下解答―――
(解答)3
<解説>
1.(×)「午前中に家族に伴われ入所してきたことも覚えていない」ことから記憶障害があると考えられる。
2.(×)「自分の部屋が分からず廊下を歩いている」ことから見当識障害があると考えられる。
3.(○)緊張した表情をみせたり、お茶を勧めてくれた職員に「ありがとう、あなたもいかが」と話したりしていることから、情緒や感情は維持されていると考える。
4.(×)「食事は配膳しても箸を取らずに眺めている」ことから、食欲が低下していると考えられる。