コラム
  • 公開日: 2014/7/7
  • 更新日: 2019/3/1

【連載】ナースの転職知恵袋

未払い残業代を取り戻す方法

常態化するサービス残業

「始業2時間前に来て情報収集、日勤の日でも23時過ぎまで残業。でも残業代ゼロ」 「1ヶ月に1時間しか残業できないと決められていて、それ以上の残業代は一切出ない」 などなど、看護師の職場の中には、サービス残業が常態化している所が少なくないようです。 ここでは、日々のサービス残業で溜まりに溜まった、未払い残業代を取り戻す方法を解説します。

知っていますか?残業代の基礎知識

1日8時間or週40時間を超えて働くと、残業代が発生

労働基準法では、「1日8時間、週40時間を超えて」働いた場合、雇用主は労働者に対して、残業代を支払わなければならないと定められています。 もちろん、終業時間を超えて働いた場合だけではなく、始業時間より早く来て働いた場合も、残業代が発生します。

2年がリミット!未払い残業代の請求期限

未払い残業代を請求する権利は、時効により2年で消滅すると法律で定められています。 請求時から2年以上前の未払い残業代は、請求することができないので、要注意。 2年以内であれば、既に退職した職場で発生した残業代も請求できます。

タイムカードのコピーなど、動かぬ証拠を集めてLet’s請求!

ただし、残業をしたことの証拠がなければ、未払い残業代を請求することはできません。 一番確実な証拠は、タイムカードのコピー。 他にも、業務日報などのメール(送信時刻が書かれているため)や勤務シフト表も証拠になります。 既に退職していて当時の勤務時間が分からない場合は、元職場に出勤記録の開示を求めましょう。

未払い残業代を取り戻す方法

証拠を揃えたら、いよいよ専門機関に相談です。主な相談先には、以下のような機関があります。

労働基準監督署

職場で法律が守られているかをチェックする機関で、全国に321か所あります。匿名での相談もOK。 あなたが揃えた証拠をもとに調査し、残業代未払いが確定した場合、職場に注意をしてもらえます。 しかし、労働基準監督署の注意を受けても、残業代未払いをやめない職場は少なくないようです。

法テラス

日本司法支援センターの愛称で、残業代未払いやパワハラなどの法的トラブルを解決する機関です。 サポートダイヤルに電話すると、残業代未払いに関する法制度や手続きの流れを説明してもらえます。

弁護士・司法書士

弁護士や司法書士に相談すると、職場に内容証明郵便を送り、残業代を請求してもらえます。それでも職場が残業代支払いを拒む場合、労働基準監督署への通告や、訴訟を起こしてもらうことができます。

自力で解決

相談機関や弁護士などに頼らずとも、残業代を計算し、請求書とともに職場へ送ることで、自分で未払い残業代を請求することもできます。 弁護士などの手を借りないため費用は発生しませんが、自力で計算や書類作成を行うのはかなり面倒。 どんなに時間と手間がかかっても、絶対に残業代を取り戻したい!という強い意志が不可欠です。

取り戻す時間も気力もない方は

このように、未払い残業代を取り戻すには、覚悟、時間、気力、そして費用が必要です。 そもそも、残業が全くない職場、もしくは残業があっても残業代をしっかり支払う職場で働いていれば、残業代未払い問題で苦しむことはなかったはず。 残業がない、もしくはきちんと残業代を支払ってくれる職場に転職するのも選択肢の1つです。

残業の少ない求人を探すなら

ナース専科でも、「残業なし」「休日多め」「給与高め」など、あなたの希望条件に合わせて、お近くの看護師求人を簡単に検索できます。 >>さっそく、求人を検索してみる。
編集 ナース人材バンク
年間10万人以上の看護師さんが利用する、実績No,1の転職支援サービス、ナース人材バンクが運営する「ナースの転職知恵袋」から、看護師転職のお役立ち記事・情報をお届けします。

関連記事