【疾病】65歳の男性。数日前から軽い頭痛があり来院した。若い頃から飲酒の習慣がある。1か月前に酔って転倒し頭を打ったという。高血圧の既往はない。最も考えられる疾患はどれか。
1. 脳出血
2. くも膜下出血
3. 急性硬膜外血腫
4. 慢性硬膜下血腫
―――以下解答―――
(解答) 4
<解説>
1.(×)脳出血の主な原因は高血圧で、多くの場合、気分不快や頭痛・嘔気などを訴える。重症の場合は意識障害がみられる。
2.(×)くも膜下出血では突然の激しい頭痛で発症し、嘔吐・けいれん・意識障害など全身性の症状を呈する。
3.(×)急性硬膜下血腫は外傷により頭蓋骨骨膜と硬膜の間にできる血腫である。重症後に意識清明期間があるが、血腫の増大につれて意識障害や頭蓋内圧亢進症状が出現する。
4.(○)慢性硬膜下血腫は、比較的軽い頭部打撲をしてから2週間~1、2か月後に硬膜下に徐々に血圧が溜まって脳を圧迫している状態である。初発症状は頭痛であることが多い。飲酒歴の長い高齢者に発症頻度が高い。