• 公開日: 2014/1/8
  • 更新日: 2020/3/26

【連載】施設ナース・すみれのつれづれ日記

第9回 「電話がしたい」とフロントで杖を振り回す入居者

今回は、施設に入居したばかりの入居者さんのエピソードとともに、施設に入居するとはどういうことなのかを解説します。


施設に入居するということ

施設に入居した高齢者は施設で3度死ぬと言われている。1度目は長年住み慣れた家を離れて社会から隔絶され役割が死ぬ。

2度目は施設に入居したその日から施設の決まり事に合わせた生活を強いられ、寝たいときに寝て食べたい時に食べるという自由が死ぬ。3度目は心臓が止まり身体が死ぬ。

身体の死は、はっきり分かるので認識しやすいが、役割と自由の死は、認識できていない場合が多い。

施設に入所する時、何の説明もなく、ふんわりと連れてこられて、ずるずる生活をするパターンが多い。家族が「もう家には帰れない。一生ここで暮らすことになった」と説明することが難しいからだ。

関連記事

看護知識

ナース専科で看護知識を”学ぶ”記事ランキング