薬を繰り返して投与しているうちに効果が現れにくくなってくる現象を示している用語はどれか?
1.薬物耐性
2.腸肝循環
3.生物学的半減期
4.バイオアベイラビリティ
―――以下解答―――
(解答) 1
<解説>
1.○ 正しい。薬物耐性は作用機序が同じ、または類似の薬の間でもみられ、交差耐性ともいわれている。
2.× 腸から吸収された薬物の中には肝臓に達し、そこでグルクロン酸または他の分子と抱合されるものがある。これらの抱合体は胆汁性排泄を受ける。すなわち肝細胞から胆汁液に入り、再び腸内に入る。グルクロン酸抱合された薬物は結腸内で細菌のもつβ-グルクロニダーゼにより分解され、遊離した薬物は再び吸収(再吸収)されることがある。こうして腸肝循環が生じ、薬物は極めて長時間滞在しゆっくりと排泄される。
3.× 生物学的半減期(T1/2)とは、ある時点での薬物血中濃度が元の半分になるのに必要な時間をいい、薬物の分解・排泄の速さの指標となる。
4.× 生体利用率のことで、経口投与した薬物がどれだけ吸収されどのような血中濃度曲線を描くかということになる。吸収の他に代謝、分布、排泄のすべての要素が絡んでくる。