2024年11月4日からスタートした1日3問国試ドリルは、月~金で1日3問ずつ配信しています。
このページでは、1日3問国試ドリルで配信した問題のうち、「成人看護学」に該当する問題と解答・解説を掲載します。振り返りにぜひ活用してください。【※毎週更新予定】
第1問:散瞳薬を用いて眼底検査を受ける成人患者への対応で適切なのはどれか。
- 検査中は室内を明るくする。
- 散瞳薬の点眼は検査直前に行う。
- 検査前に緑内障の有無を確認する。
- 検査後1時間で自動車の運転が可能になると説明する。
解答・解説
1.(×) 散瞳すると眼に入る光の量が増えてまぶしく感じるため、室内は暗くする。
2.(×) 散瞳薬は検査の30分前に点眼する。
3.(〇)緑内障患者への散瞳薬の点眼は禁忌である。
4.(×) 散瞳は4~6時間ほど続くため、自動車やバイクなどの運転は危険である。
第109回(2020年)
第2問:Aさん(64歳、男性)は肺炎のため抗菌薬の投与目的で入院となった。治療開始後3日に全身の皮膚、眼瞼結膜および口腔粘膜に紅斑と水疱が出現した。バイタルサインは、体温38.5℃、呼吸数24/分、脈拍80/分、血圧124/80mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉96%(room air)であった。Aさんに出現している症状から考えられる病態はどれか。
- 後天性表皮水疱症
- シェーグレン症候群
- 全身性エリテマトーデス
- スティーブンス・ジョンソン症候群
解答・解説
1.(×) 後天性表皮水疱症は、肘関節の伸側や手足の背側などに水疱がみられる自己免疫疾患である。
2.(×) シェーグレン症候群は、目や口腔内など粘膜の乾燥、関節痛、レイノー現象などがみられる自己免疫疾患である。
3.(×) 全身性エリテマトーデスは、発熱や全身倦怠感、関節炎、蝶型紅斑などがみられる自己免疫疾患である。
4. (〇)スティーヴンス・ジョンソン症候群は、高熱や全身倦怠感などの症状を伴って、口唇・口腔、眼、外陰部などを含む全身に紅斑、びらん、水疱が多発し、表皮の壊死性障害を認める疾患で、薬剤性が多い。
第110回(2021年)
第3問:成人に対する自動体外式除細動器〈AED〉の使用で正しいのはどれか。
- 胸部が濡れている場合は電極パッドを貼る前に拭き取る。
- 電極パッドは左前胸部に並べて貼る。
- 心電図の解析中にも胸骨圧迫を継続する。
- 心拍が再開されたら電極パッドを直ちにはがす。
解答・解説
1.(〇)胸部が濡れている場合、体表でショートしてしまい、心臓に十分な電流が届かない可能性があるため、電極パッドを貼る前に水分を拭き取る。
2.(×)電極パッドは右前胸部と左前胸部に貼る。
3.(×)心電図の解析中は傷病者の体に触れないようにする。
4.(×)心拍再開後も電極パッドははがさず、AEDの電源も入れたままにする。
第112回(2023年)
第4問:Aさん(54歳、女性)は甲状腺機能亢進症と診断され、放射性ヨウ素内用療法を受けることとなった。看護師の説明で正しいのはどれか。
- 「治療前1週間は海藻類を摂取しないでください」
- 「治療中の体を固定します」
- 「治療後の副作用に脱毛があります」
- 「治療後1週間は生野菜を摂取しないでください」
解答・解説
1.(〇)放射線ヨウ素内用療法では、治療の1~2週間前からヨウ素制限を行う。海藻類や魚介類が該当する。
2.(×)行動制限の必要はないが、放射性ヨウ素カプセルを内服後、1~3週間は子どもや妊婦との接触を控える必要がある。
3.(×)脱毛の副作用はない。頸部や唾液腺(耳下腺・顎下腺)の腫脹、血液成分の減少がみられることがある。
4.(×)生野菜の摂取制限はない。
第111回(2022年)
第5問:成人のがん患者が痛みの程度を数値で回答するスケールはどれか。
- フェイススケール
- NRS
- VAS
- VRS
解答・解説
1.(×) フェイススケールは、患者の表情によって痛みの程度を判定する方法である。主に高齢者や小児に利用される。
2.(〇)NRS(Numerical Rating Scale)は、痛みがない状態を0、想像できる最大の痛みを10として、11段階で痛みの程度を数値で回答するスケールである。成人のがん患者に痛みの程度を数値で答えてもらうのに適切な方法である。
3.(×)VAS(Visual Analogue Scale)は、長さ10cmの黒い線の左端を痛みがない状態、右端を想像できる最大の痛みとして示し、現在の痛みがどの程度かを指し示してもらうスケールである。
4.(×)VRS(Verbal Rating Scale)は、痛みなし・少し痛い・痛い・かなり痛い・耐えられないほど痛いなど、痛みの強さを表す言葉を並べて、痛みの程度に合う言葉を選んでもらう段階的スケールである。
第113回(2024年)