• 公開日: 2022/11/10

【連載】看護師 国家試験対策・過去問

第112回看護師国家試験対策|1問1答マラソン【解答・解説アーカイブ】第40~61問

2022年9月1日からスタートした第112回看護師国家試験対策「1問1答マラソン」にご参加いただきありがとうございます!

このページでは、過去1週間に出題した問題と解答・解説を、まとめて掲載していきます!
【週1回ずつの毎週更新です】






■2022年10月10日~10月31日出題分


問題40:成人のセルフケア行動に関する学習を促進するのはどれか。

1.自己効力感
2.パターナリズム
3.プレパレーション
4.ノンコンプライアンス


解答:1


1.(〇)自己効力感とは、ある状況において必要な行動を遂行できるという確信のことである。セルフケアのコントロール能力のひとつ。
2.(×)患者の最善の利益の決定の権利と責任は医師側にあり、患者はすべて医師に委ねればよいという考え方。セルフケア行動を抑制する考え方である。
3.(×)プレパレーションとは、治療や検査を受ける子どもの認知・発達に合った方法で説明を行い、子どもや親の頑張ろうとする意欲を引き出すよう配慮することである。
4.(×)ノンコンプライアンスとは、患医師や医療者が患者に指示した投薬、リハビリ、食事などの治療内容に患者が従わないことをいう。
第109回(2020年)


問題41:目的とする効果が安定して発現するまでに最も時間がかかる薬はどれか。

1.睡眠薬
2.鎮痛薬
3.抗うつ薬
4.抗血栓薬


解答:3


1.(×)30分から1時間で効果が最高となる。
2.(×)30分から1時間で効果は最高となる。
3.(○)効果が現れるまでに最低2週間はかかる。
4.(×)薬剤の種類にもよるが、効果発現の早いものでは内服後30分から4時間で最高血中濃度に達する。
第106回(2017年)


問題42:患者と看護師が面談をする際、両者の信頼関係を構築するための看護師の行動で最も適切なのはどれか。

1.患者の正面に座る。
2.メモを取ることに集中する。
3.患者と視線の高さを合わせる。
4.事前に用意した文章を読み上げる。


解答:3


非言語的コミュニケーションは信頼関係の形成に影響する。リラックスした姿勢や笑顔で、目線の高さを合わせ、顔と体を相手に向け話を聴き受けとめる意図を伝える。
1.(×)正面は緊張感が強くなりやすいため避けた方がよい。
2.(×)メモを取ることに集中すると、患者は話を聴いてもらえていないと感じてしまう。
3.(○)患者に威圧感を与えないよう目線を合わせて話すのがよい。
4.(×)患者の話す内容に合わせて会話するのがよい。
第107回(2018年)


問題43:医療法で「地域の医療従事者の資質の向上を図るための研修を行わせる能力を有すること」と定められているのはどれか。

1.助産所
2.診療所
3.特定機能病院
4.地域医療支援病院


解答:4


第四条:国、都道府県、市町村、第四十二条の二第一項に規定する社会医療法人その他厚生労働大臣の定める者の開設する病院であつて、地域における医療の確保のために必要な支援に関する次に掲げる要件に該当するものは、その所在地の都道府県知事の承認を得て地域医療支援病院と称することができる。
三;地域の医療従事者の資質の向上を図るための研修を行わせる能力を有すること。
以上から4。
1.(×)助産所については、医療従事者の研修等に関する規定はない。
2.(×)診療所については、医療従事者の研修等に関する規定はない。
3.(×)特定機能病院は、「高度の医療に関する研修を行わせる能力を有すること」と定義された病院である。
4.(○)「地域の医療従事者の資質の向上を図るための研修を行わせる能力を有すること」と定められているのは、地域医療支援病院である。
第106回(2017年)


問題44:Aさん(74歳、女性)は、1人暮らし。要介護1、認知症高齢者の日常生活自立度判定基準Ⅱa。頻尿のため、自室からトイレへの移動中に廊下で失禁することが頻繁にある。1日3食の高齢者向け配食サービスを利用している。

現時点でのAさんの日常生活で最も起こりやすいのはどれか。
1.窒息
2.転倒
3.熱傷
4.徘徊


解答:2


1.(×)高齢者向け配食サービスを利用しており、 この状況で窒息は起こりやすいとはいえない。
2.(○)頻尿で何度もトイレに行き、 トイレ移動中に失禁することがあるため、最も起こりやすいのは転倒である。
3.(×)料理をする機会は少ないと考えられ、 この状況で熱傷は起こりやすいとはいえない。
4.(×)認知症高齢者の日常生活自立度Ⅱaとは、家庭外で「日常生活に支障を来すような症状・行動や意思疎通の困難さが多少見られても、誰かが注意していれば自立できる」状態である。 この状況で徘徊は起こりやすいとはいえない。
第108回(2019年)


問題45:診療報酬制度について正しいのはどれか。

1.診療報酬の点数は3年に1回改訂される。
2.診療報酬は都道府県が医療機関に支払う。
3.医療機関への支払いは出来高払いのみである。
4.厚生労働大臣の指定を受けた医療機関で利用できる。


解答:4


1.(×)診療報酬の点数は2年に1回改訂される。
2.(×)診療報酬は、自己負担分は患者が、残りは加入している医療保険者が医療機関に支払う。
3.(×)医療機関への支払いは出来高払い方式と、診断群分類別包括支払い方式(DPC)がある。
4.(〇)診療報酬制度は、厚生労働大臣の指定を受けた医療機関で利用できる。
第111回(2022年)


問題46:小腸で消化吸収される栄養素のうち、胸管を通って輸送されるのはどれか。

1.糖質
2.蛋白質
3.電解質
4.中性脂肪
5.水溶性ビタミン


解答:4


胸管は下半身と左 上半身のリンパを集めて、左静脈角にそそぐリンパ本幹である。
1.(×)
2.(×)
3.(×)
4.(○)小腸で吸収された中性脂肪はリンパ管に流れ、胸管を通って輸送される。
5.(×)
第107回(2018年)


問題47:成人の静脈血採血で通常用いられる注射針の太さはどれか。

1.14G
2.18G
3.22G
4.26G


解答:3


1.(×)
2.(×)
3.(〇)成人の静脈血採血で通常用いられる注射針の太さは、20~22Gである。
4.(×)
第109回(2020年)


問題48:滅菌物の取り扱いで正しいのはどれか。

1.鉗子の先端は水平より高く保つ。
2.鑷子の先端を閉じた状態で取り出す。
3.滅菌パックはハサミを用いて開封する。
4.滅菌包みは布の内側の端を手でつまんで開く。


解答:2


1.(×)鉗子の先端は必ず水平より低く保つ。
2.(〇)鑷子の先端を閉じた状態で取り出す。
3.(×)滅菌パックは開封する側を上にして、両手で左右に開く。ハサミは使用しない。
4.(×)滅菌包みは内側が清潔なため、布の外側の端を手でつまんで開く。
第109回(2020年)


問題49:ホルモンと分泌部位の組合せで正しいのはどれか。

1.サイロキシン-副甲状腺
2.テストステロン-前立腺
3.バソプレシン-副腎皮質
4.プロラクチン-下垂体前葉


解答:4


1.(×)サイロキシンは甲状腺で分泌される。
2.(×)テストステロンは精巣で分泌される。
3.(×)バソプレシンは下垂体後葉で分泌される。
4.(○)プロラクチンは、下垂体前葉で分泌される。
第106回(2017年)


問題50:洗髪を行うときに、患者のエネルギー消費が最も少ない体位はどれか。

1.仰臥位
2.端座位
3.起座位
4.Fowler〈ファウラー〉位


解答:1


エネルギー消費が一番高い体位は立位であり、エネルギー消費が最も低くなる体位は仰臥位である。
1.(○)仰臥位が最もエネルギー消費が少ない。
2.(×)
3.(×)
4.(×)
第106回(2017年)


問題51:健常な成人の血液中にみられる細胞のうち、核が無いのはどれか。

1.単球
2.好中球
3.赤血球
4.リンパ球


解答:3


1.(×)単球は腎臓形や馬蹄形など、不規則な形状の核を有する。
2.(×)好中球は分葉核を有する。
3.(○)赤血球は円盤状で核はなく中央にくぼみがある。内部に酸素と結合するヘモグロビンがある。
4.(×)リンパ球は丸い核を有する。
第107回(2018年)


問題52:大気汚染物質の二酸化硫黄〈SO2〉について正しいのはどれか。

1.発がん性がある。
2.じん肺を引き起こす。
3.酸性雨の原因物質である。
4.不完全燃焼によって発生する。


解答:3


1.(×)発がん性物質ではない。
2.(×)じん肺は、土埃、金属の粒などの無機物または鉱物性の粉塵が原因となる。
3.(○)酸性雨は、二酸化硫黄(SO2)や窒素酸化物(NOx)などを起源とする。
4.(×)不完全燃焼によって発生するのは、一酸化炭素である。
第107回(2018年)


問題53:Aさん(75歳、女性)は、腰部脊柱管狭窄症と診断されており、要介護1、障害高齢者の日常生活自立度判定基準A-1である。Aさんが介護保険による貸与を受けられる福祉用具はどれか。

1.車椅子
2.歩行器
3.電動ベッド
4.入浴用椅子


解答:2


障害高齢者の日常生活自立度判定基準A-1では、屋内での生活はおおむね自立している状態である。外出には介助を要するが、日中はほとんどベッドから離れて生活できる状態を指す。
1.(×)要介護1では、原則として車椅子は介護保険による貸与対象にならない。
2.(○)歩行器の使用は安定した歩行をサポートするのに有効であると考えられ、 介護度1で貸与できる。
3.(×)要介護1では、原則として電動ベッドは介護保険による貸与対象にならない。
4.(×)入浴用の椅子は、貸与できる福祉用具ではない。
第108回(2019年)


問題54:終末期がん患者にみられる悪液質の徴候はどれか。2つ選べ。

1.末梢神経障害
2.リンパ浮腫
3.がん疼痛
4.食欲不振
5.体重減少


解答:4、5


1.(×) がん悪液質は、がんの病状の進行に伴い、体重減少、食欲不振、低栄養が徐々に進行し、機能障害をもたらした状態をいう。著しい筋組織の減少を特徴とする複合的な代謝障害症候群である。
2.(×)
3.(×)
4.(〇)
5.(〇)
第109回(2020年)


問題55:膝関節鏡検査の説明として適切なのはどれか。

1.「外来の処置室で行います」
2.「関節内に空気を入れます」
3.「検査後1日は入浴できません」
4.「検査後に下肢の麻痺が起こることはありません」


解答:3


1.(×) 膝に数箇所切開を加えるため、手術室にて麻酔下で行う。
2.(×) 空気ではなく、生理食塩水を関節腔内に満たした状態で観察する。
3.(〇) 切開箇所からの感染のリスクが高いため、検査後1日は入浴できない。
4.(×) 関節周囲の神経を損傷するおそれがあるため、下肢の麻痺の可能性はある。
第110回(2021年)


問題56:平成29年(2017年)の患者調査において医療機関を受診している総患者数が最も多いのはどれか。

1.喘息
2.糖尿病
3.脳血管疾患
4.高血圧性疾患


解答:4


1.(×)傷病分類別にみた受療率(人口10万対)をみると、外来では高血圧性疾患が511、糖尿病が177、喘息が96、脳血管疾患が68である。
2.(×)
3.(×)
4.(〇)
第111回(2022年)


問題57:Aさんの転倒要因はどれか。2つ選べ。

Aさん(89歳、女性)は、息子夫婦と3人暮らし。障害高齢者の日常生活自立度判定基準A-2。腹部膨満感とふらつきを自覚したため受診したところ、原発不明の癌による多臓器への転移と腹水貯留が認められ、入院した。入院時に、医師からAさんと家族に、回復の見込みが低いことが伝えられた。看護師に、Aさんは「もう十分長生きできましたから、自然に最期を迎えたいです」と話した。
身体所見:身長148cm、体重43kg、腹囲80cm。体温36.8℃、血圧128/80mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉97%、意識レベル清明。
検査所見:Hb6.9g/dL、総蛋白4.5g/dL、アルブミン2.9g/dL、AST〈GOT〉45IU/L〈U/L〉、ALT〈GPT〉60IU/L〈U/L〉、Na130mEq/L、K4.2mEq/L。
Aさんは全身の衰弱がみられるものの、Aさんの希望で病室のトイレには歩いていくことになった。看護師は、Aさんは転倒するリスクが高いと判断した。
Aさんの転倒要因はどれか。2つ選べ。
1.貧血
2.腹水貯留
3.肝機能低下
4.低酸素血症
5.低カリウム血症


解答:1、2


1.(○)Hb6.9g/dLで貧血があり、ふらつきの自覚があるため転倒の要因となり得る。
2.(○)腹水貯留による腹囲増加や腹部膨満感があり、体動制限が出ていることが考えられるため転倒の要因となり得る。
3.(×)肝機能は悪化しているが、直接的な転倒の要因にはならない。
4.(×)低酸素血症かどうかは、記載されている情報から判断できない。
5.(×)低カリウム血症は認められていない。
第108回(2019年)


問題58:救急外来到着時にAさんの状態をアセスメントするために優先度が高い血液検査項目はどれか。

Aさん(50歳、男性、会社員)は半年ほど前から労作時に胸痛と呼吸困難があり、anginapectoris狭心症と診断され内服治療を受けている。本日明け方から胸部に圧迫感があった。出勤途中に強い胸痛を自覚し、自ら救急車を要請した。救急外来到着時のバイタルサインは、体温35.8℃、呼吸数30/分、脈拍112/分、血圧96/52mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉93%(酸素2L/分)。意識は清明。12誘導心電図はV1〜V4でST上昇、Ⅱ、Ⅲ、aVFでST低下みられた。
救急外来到着時にAさんの状態をアセスメントするために優先度が高い血液検査項目はどれか。
1.トロポニンT
2.乳酸脱水素酵素
3.血清クレアチニン
4.アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ


解答:1


1.(〇)トロポニンTは心筋梗塞発症後3~6時間で上昇するため、Aさんの状態をアセスメントするために優先度が高い血液検査項目である。
2.(×)乳酸脱水素酵素(LD)は心筋梗塞発症後6~12時間で上昇するため、Aさんのケースではまだ異常値を示さない可能性がある。
3.(×)血清クレアチニンは腎機能評価に用いられる。似た名前の血液検査項目に血清クレアチニンキナーゼがあり、心筋梗塞発症後4~8時間で上昇するため、心筋梗塞の診断に用いられる。
4.(×)アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)は心筋梗塞発症後6~12時間で上昇するため、Aさんのケースではまだ異常値を示さない可能性がある。
第111回(2022年)


問題59:Aさんに行われる検査で優先されるのはどれか。

Aさん(64歳、女性、主婦)は、50歳で高血圧症と診断され、降圧薬を服用している。栄養指導を受け、食事療法も実施している。趣味はサイクリングと海外旅行である。数か月前からサイクリング中に息苦しさやめまいを感じるようになったため、かかりつけ医から紹介された病院を受診した。外来受診時のバイタルサインは、体温36.8℃、呼吸数24/分、脈拍40/分、血圧96/52mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉98%(roomair)。Aさんは完全房室ブロックが疑われた。Aさんに行われる検査で優先されるのはどれか。
1.心臓超音波検査
2.12誘導心電図検査
3.心臓カテーテル検査
4.運動負荷心電図検査


解答:2


1.(×)心臓超音波検査は心肥大や弁膜症、心筋梗塞などの診断に有効である。
2.(〇)12誘導心電図検査は、不整脈、心肥大、狭心症や心筋梗塞などの診断に有効である。完全房室ブロックを疑う際には、まず12誘導心電図を行う。
3.(×)心臓カテーテル検査は、狭心症、心筋梗塞、心臓弁膜症などの診断に有効である。
4.(×)運動負荷心電図検査は、階段昇降で心臓に負荷をかけることにより、安静時心電図では判定が困難な、虚血性心疾患や不整脈の判定に用いられる。Aさんは安静時にも徐脈となっているため、12誘導心電図検査が優先される。
第110回(2021年)


問題60:思春期にある人が親密な関係を求める対象はどれか。

1.教師
2.祖父母
3.友人
4.両親


解答:3


思春期は、両親や祖父母、教師といった身近な大人に対しての両価性(アンビバレンツ)が高まる時期である。
1.(×)
2.(×)
3.(○)思春期にある人が親密な関係を求めるのは、友人である。
4.(×)
第108回(2019年)


問題61:Aさんに行われた検査はどれか。

Aさん(37歳、女性、会社員)は、夫(38歳)と2人暮らし。身長155cm、体重57kg。Aさんは、入浴中に右胸のしこりに気づき、病院を受診した。乳房超音波検査で右乳房外側下部に、直径約3cmの腫瘤が認められた。医師から乳癌の可能性が高いと説明され、検査を受けたところ、右乳癌と診断された。
確定診断のため、Aさんに行われた検査はどれか。
1.MRI
2.針生検
3.PET-CT
4.マンモグラフィ


解答:2


1.(×)腫瘍の位置や他臓器への転移などを調べるのには有用だが、乳がんの確定診断にはならない。
2.(○)乳がんの確定診断には病理検査が必要であり、病変の一部を針で採取する針生検などが行われる。
3.(×)原発不明のがんの発見や、がんの転移などを調べるのに有用であるが、乳がんの確定診断にはならない。
4.(×)乳がんを見つけるには有用だが、確定診断にはならない。
第108回(2019年)


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