訪問看護師を増やす試みの一つが、新卒の採用だ。教育プログラムを整備することができれば、その道は開かれるはず。ケアプロは聖路加看護大学と共同で教育プログラムの開発に着手した。
新卒採用の壁崩壊まで、あとわずか!
とあるサイトで、看護学生が訪問看護の分野に進みたいことを相談しているのを見たことがあるが、否定的な意見が驚くほどたくさん寄せられていた。つまりは、訪問看護は新卒では経験不足だから危険で無理だということを、訪問看護師、病棟看護師、医師らいわば身内が答えていた。
これを読んだら、いくら夢を叶えたくても怖気づいて、病院へ行った方が安全だと思うに違いない。これで1人の希望者が減るのかと考えると残念で仕方がない。
そこで私たちケアプロは、訪問看護事業所向けに新卒の訪問看護師を育てるためのノウハウを提供する「新卒教育プログラム」を作ることにした。聖路加看護大学看護実践開発研究センターの山田雅子先生という強力なサポートを得ての共同開発。
ケアプロのメンバーが同センターの客員研究員となり、わが社の新卒訪問看護師・小瀬のケースをもとにして、プログラムを練り上げ、来年4月には本事業をスタートさせる予定だ。
訪問看護師を希望する人たちへの道筋
新卒の訪問看護師を育てるための教育プログラムの研修修了後は、聖路加看護大学看護実践開発研究センターから修了証が授与される。
また、本教育プログラムの修了証を有する訪問看護事業所としてリスト化し、新卒・新人訪問看護師を応援するサイトで紹介することができれば、これも訪問看護分野への道筋となるに違いない。
教育プログラムの研修は、集合研修やケアプロでの現場研修や研修生の所属する事業所での研修など、さまざまなシーンで実践的に学べるような工夫を考えている。さらに新卒を雇い入れるタイミングで、新卒者一人ひとりの個性やレベルに合わせてOJTの研修を想定している。
とにかく、訪問看護を希望する人たちのために、安心できる道筋を整えてあげることが大事だ。先の相談の件で、否定的な意見が大多数だったが、そう考える人たちの目や耳にもきちんと届くような、しっかりとした教育プログラムの整備と実践が、今、まさに始まろうとしている。