本連載も最終回となりました。今回は、血流や凝りの改善などを中心にとした、ストレスに対する具体的な施術方法を紹介します。
テクニック4
頭頂部をほぐす
親指の先端部頭頂部の反射区をほぐします。親指全体は頭部の反射区なので、この部分の血流が滞っているということは、脳の血流が悪くなっている状態と考えられます。親指の先端もゴリゴリと揉みほぐしましょう。そして、親指の付け根を首を回すようにゆっくりと大きく円を描くように回します。
親指全体が軟らかくなったら、最後に、赤い親指の人は頭に上っている「気」を下に降ろすようなイメージで、指の先から指の付け根へと上から下に軽く触れて流していきます。いわばクールダウンの要領です。
テクニック5
横隔膜ラインの緊張をほぐす
足裏の色が変わる境界線が横隔膜ラインです。この横隔膜ラインが上がっていると、呼吸が浅くなっている緊張状態を示します。ストレスが溜ると背中や肩の筋肉が硬くなり、肺がスムーズに動けなくなることから、呼吸が浅くなり、横隔膜が上ってしまいます。
そして、体内に酸素をうまく取り入れることができなくなり、血中の酸素飽和度が低下します。このゾーンを揉みほぐし、横隔膜ラインを正常化することで、よい酸素を取り入れやすくします。
方法としては、横隔膜ラインを骨に沿って、両手の親指で小さいサークルを描く要領で下から上に揉み上げていきます。これだけで、一日の凝りがほぐれたような感じがする人も多いでしょう。呼吸法の前などに行うとより効果的です。
テクニック6
脊柱起立筋のラインを押し上げる
自律神経系は脊柱起立筋から内臓に達します。ストレスにより、背中が凝るとその神経伝達が阻害されてしまい、内臓の動きが低下します。一人で自分の背中の凝りを取り除くことは難しいですが、反射区をほぐすことでそれが可能になります。
方法としては、親指側面の反射区を、骨に沿って下から骨に当たるような感じでマッサージします。ここをほぐすと背中の緊張が緩むが感じがして、同時に内臓もほぐれてきます。ストレスは背中の凝りとして出やすいので、しっかりと揉みほぐしておきます。
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連載は今回で終了です。
(『ナース専科マガジン』2006年8月号より改変利用)