今回は、実際の施術方法について触れることにしましょう。リフレクソロジーを実施するには、観察とアセスメントが重要です。患者さんの足裏からどのような情報が読み取れるのか、概要を解説します。
具体的な施術方法をみてみよう!
情報処理・アセスメントについて
足裏を診るときには、足を洗わずに行います。先に洗ってしまうと、角質や色など皮膚の状態が変化してしまうためです。
前述したシワや角質・色・凸凹・温度・湿度・においなどのさまざまな情報を受け取り、スケッチしておき、その得られた情報から患者さんの状況を解析して施療行程を決定します。この段階がアセスメントです。
具体的には下図のような点を目安にして診ていきますが、足は常に変化しています。
患者さんには毎日見る習慣をつけてもらうことを勧め、施療側は1週間に一度じっくりとスケッチをとり、前後の比較をすることが望ましいといえます。
施療部位の決定
アセスメントを行い、患者さんの主訴が出ている部位および原因と考えられるエリアは必ず実施します。
それに付随して、それらの関連臓器エリアも施療行程に組み込みます。さらに、足裏を直接見て触って問題点と感じたところも実施します。
これらの部位を組み合わせて、足先に近いエリアより施療を開始し、踵に向かって順に行っていきます。
施療の方法
手指を用いた基本テクニック「サムウォーキング」で、親指を用いてシャクトリ虫のように指を這わせながら移動し、指腹で細かく足裏および足の甲、側面、足趾に刺激を与えていきます。
これをきちんと行えれば、ほぼすべてのエリアを刺激していくことができます。
手の親指で押すには皮下に組織が少なすぎたり、エリアが狭かったりする場合(例えば各足趾の爪側や趾間など)は、主に人さし指を使って圧をかけていきます。足の甲などでは手の4指を揃えて小さなサークルを描きながら甲を横に移動する、フィンガーサークリングという手技を用いることもあります。
基本テクニック「サムウォーキング」とは!
サムウォーキングとは、「サム」=親指の意味で、足裏の肉付きのよい部分に広範囲に行うテクニックです。
手の親指でシャクトリ虫が進んでいくように動かし移動させます。
親指を第一関節で曲げ(イラストa)、指先でポイントにプレッシャーをかけてから伸ばします(イラストb)。このとき指は足からは離れません。むしろ指の腹で押し上げているような感覚で行います。
ポイントは少しずつ、できるだけ小さな幅で進むこと。
そして、強すぎず、弱すぎず、ゆっくりと進めていくことです。
指先の方向に一方向のみ進み、バックすることはありません。サムウォーキングのとき、反対の手は足の甲側を支えながらプレスしている裏あたりにあて、足を支持します。
*記事・図表・写真・イラスト等の無断転載を禁じます。
※次回は、リフレクソロジーの効果と作用について解説します。
(『ナース専科マガジン2006年8月号』より改変利用)