今回からいよいよ《実践編》として、リフレクソロジーのテクニックについて触れていくことにします。初めに、訴えのある症状に対して施療を始める前に、共通して行うマッサージ方法を紹介します。
挨拶の意味をもつマッサージでリラックス効果を高める!
オープニングマッサージとは、筋緊張をほぐして血行をよくし、足に施術するという感覚を患者さんにもってもらうことや、足全体にパウダーを塗布することを目的とした、いわば挨拶のようなマッサージです。
施療する部位は足先から膝周辺まで。オイルやクリームを使わずに、パウダーを塗布し、手掌で膝下から足先まで軽くさするようにマッサージした後、足首→足の甲→足趾・趾間→踵の順に、3~5分ほどマッサージします。
これに対して、さらなるリラックスとともにトリートメントの終了を目的として施術するのが、アフターマッサージです。それまでの点状のプレス刺激とは異なり、全体の血行バランスを整える意味でも重要です。
施療部位はやはり足先から膝周辺までで、手掌で全体をマッサージしていきます。このとき、アロマ精油をプラスしたオイルトリートメントを追加するのもお勧めです。トリートメント中に感じた、患者さんの足の問題に合わせて精油を選ぶとさらなる効果を期待できます。
例えば、
- 足裏全体が硬く、コリや疲労を多く感じたときには、ペパーミントで爽涼感を
- 足の親指が赤く大きく硬い場合には、リラックス効果の高い柑橘系やラベンダー
- 消化器系のエリアにしわが多かったり、色が白く抜けてしまっているときには、フェンネルやグレープフルーツなど
- 全体的にしこりが多い場合には、サイプレスとラベンダーを合わせて
このように身体の状態を実感した後だからできる精油のセレクトも、アフターマッサージの醍醐味です。
オープニングマッサージの実践例
オープニングマッサージは、これから紹介するいくつかの方法を組み合わせたり、応用しながら行います。患者さんの足の情報はこの段階から収集します。足全体の力の入り具合などから緊張度を、さらに温度や湿度、皮下や関節の硬さなどをみていきます。その後のトリートメントで集中して行うべきポイント等を見出すという視点をもって行ってください。
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※次回は、ベッドサイドで行える10分間トリートメントを紹介します。
(『ナース専科マガジン』2007年1月号より改変利用)