新人ナースにとっては、現場の仕事に慣れてきた反面、心身の疲れが溜まってくる頃ではないでしょうか。睡眠不足や気力の低下は、仕事上のミスにつながりかねません。今回のエールは、産婦人科医の篠原洋介さん。ナースが心掛けたい健康管理についてのアドバイスです。
健康管理の必要性を感じるときは?
健康管理というとちょっと身構えてしまいませんか。
たとえば健康管理が問題になるときは、何かトラブルが起こった場合ではないでしょうか。病気がちだったりとか、現場でのミスや、遅刻を繰り返すときなどに健康管理を指摘されたりするわけです。
実際、どのような健康管理をすればベストなのかという共通した方法などあり得ないのではないでしょうか。しかも、看護師という仕事自体が非常に健康を害する要素を含んでいるというのが私の印象です。
看護の現場は危険がいっぱい
普段あまり意識しないかもしれませんが、医療現場の労働環境は危険に満ちています。長時間労働や夜勤の連続、様々な医療関連薬物や揮発性ガス、診断や治療に用いる放射線の類、針刺し事故も含めた様々な感染の危険性。人命を相手にすることによる緊張の連続、患者の病状の悪化や死亡に伴う喪失感、無力感など。さらには医療の進歩や制度の変化への対応、異動に伴う環境変化への適応、職場の人間関係の問題など枚挙にいとまないようです。
毎年、多くの新人看護師が胸に希望を抱いて病院に勤務するのでしょうが、その1割が1年以内に退職するというデータがあります。おそらくは心身の健康問題で退職を余儀なくされた場合も相当数にのぼるのではないでしょうか。
仕事を続けていくうえで看護師は他の仕事に比較して、より健康管理に注意する必要があると言えそうです。
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