【精神】62歳の男性。仕事柄、海外への出張が多い。元来責任感が強く、家庭や会社での信頼も厚かった。東南アジアから10日前に帰国してから全身の倦怠感を訴えていた。本日、午後9時ごろ突如手の震えが出現し「昨年死んだはずの友人が部屋に来ている」と大声で叫びだしたため、家族に伴われて救急外来を受診した。体温36.5℃。脈拍72/分。血圧124/76mmHg。眼球結膜に黄染が認められ、血液検査が実施された。患者は看護師に「自分は命を狙われている。助けてくれ」と話し始めた。
対応で最も適切なのはどれか。
1.「安静が必要なので、静かにしていて下さい」
2.「あなたが命を狙われているはずがありません」
3.「そうですね。窓の外に隠れている人がいるかもしれませんね」
4.「もしそのようなことがあっても、私達がいますから安心して下さい」
―――以下解答―――
(解答)4
<解説>
1.(×)対象者は自分が命を狙われていると思っているので、指示的な対応は逆効果である。
2.(×)否定的な対応で不適切である。
3.(×)肯定的な対応で、恐怖を煽り不適切である。
4.(○)対象者にとってはそう考えているのだから肯定も否定もせず、安心感を与える適切な対応である。