外国人患者さんに英語で対応できる? アメリカの医療現場で実際に使われている、患者さんにもすんなり伝わる簡単な医療英語をマスターしよう!
患者さんに一番近い存在の看護師は、「今日はどうされましたか?」から始め、症状を聞いて患者さんに起こっている健康問題の把握を行います。外国人の患者さんに対してもコミュニケーションを通して主観的情報を収集し、客観的情報と合わせて全身状態の把握が必要ですね。
今回は、不整脈編の症状の聴取に必要なフレーズを事例に沿って紹介します。
不整脈(arrhythmia)は、心臓のリズムが乱れていることを意味します。
心臓のリズムは、洞結節で電気が作られる→房室結節を通って心室に伝わる→心臓の筋肉が収縮する、という電気の流れによってコントロールされており、この電気の流れに何らかの原因で故障やトラブルが起こると脈が乱れて不整脈が起こります。
不整脈の治療のPOINTは、病的に意義のある不整脈かどうかを診断し治療することです。
不整脈の種類は、①脈の速くなる「頻脈性不整脈」、②脈の遅くなる「徐脈性不整脈」、③脈の飛ぶ「期外収縮」の大きく3つに分かれます。不整脈の症状は、自分では全く気がつかないものから、放置すると短時間で死に至る危険な不整脈までさまざまです。
看護師は、OLDCART*に沿った症状のアセスメントを行い、迅速な状態把握と全身観察に努めます。
事例:55歳・男性
1週間前から突然の頻脈と動悸を何度も自覚するようになった。2-3日前から脈の飛ぶ感じや胸の不快感も気になり始めたが、仕事が忙しく2-3分で症状が改善するため、市販薬を服用し様子をみていた。
昨夜、帰宅途中に動悸と共に、めまい・冷や汗・全身の脱力感が出現し、今朝になっても症状が改善しないため循環器外来を受診した。
来院時、意識レベルクリア、血圧132/62mmHg、脈142回/分、体温36.6℃。
主訴には「突然脈が速くなり動悸がする」と記載されていた。
本日のフレーズ
「胸がドキドキしているとき、胸がキュっとしたり、圧迫感や不快感、胸痛を感じることはありますか?」
患者さんの主訴である頻脈と動悸以外に、不整脈に伴う自覚症状がないか把握していきましょう。
今回は、頻脈性不整脈や期外収縮が起こると自覚しやすい胸部症状や胸痛がないかを確認します。
さて、みなさんはどう英語で表現しますか?
*OLDCARTとは、Onset(発症)、Location(症状のある部位)、Duration(症状のある持続時間)、Character(症状の性質)、Aggravating/Alleviating factor(増悪・軽減要因)、Radiation(症状の広がり)、Timing(症状がいつ起こるのか)の頭文字をとった症状のアセスメントツールです。