看護師が持つ悩みの中で多いのが、職場での人間関係です。今回は、職場での人間関係で悩む看護師の方へ、ぜひ実践していただきたい3つのことを、ご紹介します。
看護師が職場での人間関係で悩むのは、こんなとき
多くの看護師が悩む職場での人間関係は、こんなときではないでしょうか。
明らかに自分だけ態度が違うとき
後輩として日々先輩から指導を受けている中で、「自分だけ、先輩からの指導が厳しい」と感じてしまうことがありませんか?他のスタッフに対しては優しい口調で説明しているのに、自分にだけは口調が厳しいと感じてしまい、「どうして私だけ・・・」という思いから、「私は先輩に嫌われているのではないか」と考えてしまいます。
そして少しずつ、その先輩を避けるようになってしまい、その結果、さらに苦手になってしまうという負のループが起きてしまいます。
自分のことを後輩が避けていると感じたとき
先輩として、後輩の指導に当たる際、他の後輩に比べて特定の後輩だけは自分が話しかけても表情が暗い、あるいは話しかけてもすぐに返答がない、ということがあります。
自分は平等に指導しているつもりで、心当たりは全くないのに、そういった対応をされてしまうと「自分だけ避けられているのではないか」と感じてしまい、先輩として、少しずつその後輩と距離を置きたいと感じるようになってしまいます。
自己中心的な仕事の仕方をする同僚が目に余るとき
看護師同士の連携やチームワークは、スムーズに業務をこなす上でとても大切です。
しかし、「面倒くさい仕事や時間がかかる仕事は後輩などに押し付ける」「ナースコールを全く取ろうとしない」「手が空いているのに手伝おうとしない」など、チームワークを乱し、自己中心的な仕事の仕方をする人もいます。そういった人に疑問を感じ、関わり方に悩んでしまうこともあるでしょう。そういった思いが蓄積してしまうと、その人に対していやな気持出て、距離を置いてしまうことがあります。
職場での人間関係を円滑にするために、実践したい3つのこと
信頼のおける先輩へ相談してみる
「先輩は、私のことが嫌いなんだろうな・・・」、「あの後輩は、私のことを避けているんだろうな・・・」そう一人で悩まずに、まずは自分が感じていることを信頼できる先輩に相談してみましょう。ここで言う「信頼できる」とは、「他者へ相談したことを他言しない先輩」ともいえます。
第三者からみても本当にそう感じるのかを知ることで、「全くの勘違いだった」ということもよくある話です。
実際に筆者も「自分のこと、嫌いだと思っているんだろうな」と感じていた先輩がいました。その先輩と仕事をするときはいつも緊張していたのですが、ある日このことを他の先輩へ相談すると「あぁ、その人今体調不良が続いているから、そのつもりがなくてもついそういう態度になっちゃうのかもね」と言われました。
このように、信頼できる先輩へ相談したことで、思わぬ理由がわかることもあるんです。
看護師以外の人に相談してみる
職場での人間関係に悩んでいる方の場合、多くが「この職場だから、こういった悩みが起こるんだ」と考えてしまいがちです。そこであえて、看護師以外の人に相談してみることをオススメします。事務職の方や会社員など、医療現場以外の仕事をしている方に相談してみることで、「人間関係の悩みは看護師の職場に限定されず、どの職場での起こりうることだ」ということに気づくはずです。
中には、「他の職場ではもっと違う人間関係で悩むことがあるんだ」ということに気づくこともあります。実際に筆者は、看護師の職場での人間関係について、医療現場以外でバリバリ働く姉に相談したところ、姉からは「私なんて、女性だというだけであり得ないことを言われることがある。看護師は女性が多いから、女性だからということで差別されたことはないでしょう?」と言われたことがあります。
「そうか、女性だからというだけで大変だということは、確かに経験したことないかも。女性が多い職場でないからこその悩みもあるのか」と思い直したことがあります。
そういう人なのだ、と割り切る
様々なタイプの人が同じ職場で働くため、中には自分が苦手なタイプの人や、明らかに自分のことを避けている人がいるのは事実です。そういった人に対し、あれこれこちら側から仲良くなろうとすると余計疲れてしまうので、「この人はそういう人なのだ」と割り切ってつきあうことも大切です。
たとえその人の嫌な部分があっても、「なぜあの人はあんなことをするんだろう」と思わずに、「あの人の嫌な部分を気にしないためにはどうするか」を考えた方が、精神的にも楽になるはずです。
相手を変えるのではなく、自分を変えよう
人を、他者が変えるのはとても大変なことです。だからこそ、苦手な人がいる場合には、まずその人に対する自分の考え方を変えてみることをオススメします。自分から先輩や周囲の人に相談したり、割り切ったりすることは、相手の行動を変えるよりかは遙かに楽なはずです。
人間関係に悩んだときこそ、ぜひ「自分を変えること」を意識してみてください!
この記事を書いたのは
山村 真子
看護師として働きながら、ライターの仕事もしている、アラフォーママナース。看護系以外にも、育児や病気、介護など幅広い分野の執筆を行っています。時短勤務中だが、毎日定時に帰れるはずもなく、保育園の送迎はいつもギリギリなのが最近の悩み。
イラスト・BUFFALO-PEKO