• 公開日: 2018/6/20
  • 更新日: 2018/12/14

当たり前をサポートできれば、問題行動や大変な人は一人もいなくなる!?

テーマ:私が病院以外に就職した理由

その時々の感情の赴くままに生活する

grand

介護が必要になった途端に無くなる「当たり前」

人には、様々な感情や考え、体調があります。
例えば
トイレに行くタイミングも、日によって違う。
ご飯を食べる時間、お風呂に入る時間も日によって違う。
仕事の前後で掃除や炊事をしなきゃいけないけど、疲れたから掃除は明日でいいや、ご飯は何か買って帰ろう、って手を抜くことはある。
なのに、医療や介護の現場になると、トイレの時間だ!ご飯の時間だ!お風呂の時間だ!って周りに時間を決められる。
残存機能の維持をしなきゃいけないから、しんどくても出来ることは自分でやって!
それっておかしくないですか?

行きたくないのにトイレに連れて行かれても出るわけはなく、トイレ誘導以外の時間はトイレに連れていってもらえないから失禁するしかない。
お腹空いてないのにご飯出されても、食べられるわけがない。
お風呂に入る気分じゃないのに連れて行かれるから、嫌って言ったら(喋れないから暴れるなどの方法で拒否したら)介護拒否、問題行動って言われる。
疲れてる人に無理矢理自分でやってもらおうとしたら拒否が見られて、これまた問題行動って言われる。
健常者の当たり前が、介護が必要になった途端に当たり前じゃなくなるのは気持ち悪い、という考えを社長が持っており、その考えに共感したこと。
それが私の転職理由です。

問題行動、大変な人の定義って何?

他のデイサービスを利用中、「問題行動あり」「大変な人」と言われるくらい暴力を奮っていたAさん。
手に追えなくなり、うちに来ました。
以前のデイサービスは午前中が入浴で、午後からは絶対入れなかったそうです。玄関には鍵がかけられ、デイサービス稼働中は建物からは出られない、トイレも職員が誘導しなければ使用不可(1日の利用者が多く、トイレの数と介助につく職員の人数の加減で)の状況。
うちに来てから、午前中はふらっと外に行くことがあり、少し散歩すると戻る。お風呂は午後からなら拒否なく入る。トイレも本人のタイミングで誰の許可もなく行ける。となり、暴力は一切なくなりました。
家族より、元々午前中に30分ほどの散歩をしており、夕方に入浴していたこと、トイレの間隔が短い為家でも「また行くの?」と言いたくなる間隔でトイレに行くことを聞きました。
そりゃあ、介護が必要になった途端、今での生活とゴロっと変わって制限されたら苛立たしいよな。と思いました。
気分が乗らないときは散歩にも行きませんし、体調が優れないときは1日横になっていることもあります。

その日その日、その時その時の感情に合わせて、お手伝いさせていただくことをモットーにしている我が職場。
全員に対してですので、対応するのが困難なときもありますが、「問題行動」「大変な人」は一人もいません。
【当たり前の生活】を手助けできることに、やりがいを感じています。

●執筆●にゃんにゃん さん

このエッセイは 「ナースエッセイ」 にご応募いただいたものです。
あなたも「想い」を綴ってみませんか? ご参加は こちら から!

関連記事

看護知識

ナース専科で看護知識を”学ぶ”記事ランキング