テーマ:患者家族との印象に残るエピソード
脊髄損傷になり
寝たきりとなった女子大生
私が整形外科で勤めていた時に出会った、大学1年生の女の子。
彼氏とバイクに2人乗りをしており、事故で彼女は脊髄損傷になってしまいました。
もちろん寝たきりで体を動かすこともできず、トイレもバルーンをいれていないと、自分の意思では行えません。
毎日リハビリを行い、なんとかペンをにぎれるくらいにまでなりました。
ベッドサイトで、傾聴しかできず…
私が夜勤で担当だったその明け方、彼女は初めてその事実に向き合い、「事故の時のことがフラッシュバックしてしまった。怖い…私は一生このままの体なの?この間までは普通の大学生だったのに、もう大学にも戻れない。お嫁にいくこともできない。死ぬこともできない」と大声で泣き出し、唯一動く手をバタバタして訴えました。
私はベッドサイドのいすに座り、辛い気持ちを傾聴しました。そのくらいのことしかできなかったのです。
2時間くらい話し、やがて話は家族や大学のことになり、笑顔もみられ、少し落ち着きを取り戻していました。
いろんな思いのこもった「ありがとう」
その後彼女はリハビリ病院に転院となりましたが、退院の日「○○さん(私の名前)ありがとう」と紙いっぱいの大きな字で、1時間かけて書いたという手紙をもらいました。
その手紙はいまでも私の宝物です。