エッセイ

ナースのちょっとイイ話

ナースとしての知識が、かえっていろいろな思考の邪魔をして…

2017/2/11

テーマ:看護師をやっていてもっとも辛かったこと

父の死

father

疑問にもった父の治療

父が62才で膀胱癌になりました。
膀胱鏡の画像を見た時に、かなりの悪性でヤバイ顔つきはだと私は感じましたが、もちろん家族はわかりません。
私は膀胱の全摘を進めましたが、まだ働き盛りの父も家族も膀胱ろうが出きるのを嫌がり、先生も全摘しなくても内視鏡で取ると言い、先生の言われるまま手術をしました。
先生から完全に取りきったと言われましたが、あの癌の顔つきは完全に進行癌であり、内視鏡で取りきれるか?と疑問でした。
やはりすぐ再発が発見され、内視鏡での切除を数回繰返しました。

追加の検査も…

どうにも不安だったので、家族を説得しドクターに頼み、PETをしてもらいましたが、結果は母が聞きにいって転移なし。と言われました。
が、その後、腕のしびれがあり脳外を受診したら脳に腫瘍が見つかり、原因を調べる為に全身検査をしたら、肺に腫瘍があると言われました。
細胞診にて膀胱癌の転移だと言われました。脳の腫瘍も膀胱癌の脳転移と判明。
PETしたのにこんなに早く転移か?!と思い、PETを取り寄せて見せてもらったら、その画像には肺に3~4㎝の影がありました。
PETした時には腫瘍があり、ドクターは見逃したのだとわかりました。
PETした時点で抗がん剤等の処置がされていれば、転移は肺におさまり、脳転移は避けられていたかも。右半身麻痺で車イス生活にもなっていなかったかも、、、と思うと悔しい気持ちでした。
結果論なので、抗がん剤をしていても転移していたかもしれませんが、悔しい気持ちが抑えれず家族に伝えましたが、『あの先生も良くしてくれたから』と家族は波風立てなくていいと。言いました。
その後はみるみる転移が進み、痛みも強くなり、衰弱し癌が発見されてから2年で亡くなりました。

「看護師でなければよかった」

最初に癌の画像を見た時、転移した時、その後の経過の道筋がブワーっと予想出来たこと。
痛みで辛そうな父を見て、私は治る事はないんだからせめて痛みから開放してあげたいと思い「意識が薄れても仕方ないから、今一番辛い痛みを無くしてあげたい」と言った時に、家族が『あんたは冷たいね?意識がなくなったら何もわからなくなるんだよ!本人は生きたいんだよ!介護しているのは私なんだよ!』と、言われました。
そのとき、『看護師でなければよかった。父の辿るであろう経過が予想できてしまうので、普通の素人の家族としての意見をもつ事が出来ない。昔、癌の疼痛で「痛い痛い」と言って死んでいく患者さんをたくさん見てきた。今は昔と違い薬も進化しているのに父が痛い痛いと死んでいく姿は見たくなかった。最後の感情が痛みなんて辛すぎる。素人だったら父の延命を願ってもっと純粋に希望を持ったり、悲しむ事が出来たのかな?死に対してどこか冷静な自分が腹立つ!』
と思いました。
この時が看護師である事が辛いと思った出来事でした。

●執筆●ロボコン さん

このエッセイは 「ナースエッセイ」 にご応募いただいたものです。
あなたも「想い」を綴ってみませんか? ご参加は こちら から!

ナースのちょっとイイ話の新着

エッセイの新着

検索