テーマ:最も心に残っているエピソード
患者から逃げないこと
「面倒な」患者
受け持った患者が看護師を拒否したり、不機嫌な態度で接することが多く、私自身も、面倒な患者だなと思っていました。
ある日から看護師を無視したりするようになり、私の責任と悩みました。
なるべく検温以外では行かないようにしたり、必要最低限のコミュニケーションしかしないなど、私も関わるのを遠ざけていました。
リハビリにはしっかり行っていたので、リハの様子を聞いたり、病棟での様子を伝えたところ、リハの担当者が患者について、情報をくれました。
その患者は男だけの社会で生きてきて、女性に介入されるのが苦手で、どう接して良いかわからないと言っていました。
それからも毎日担当者と連絡を取りあい、様子を聞いたり伝えたりするようにしていました。
「来ないで」の言葉の裏
ある日たまたま私がフリー業務で患者を受け持たなかった時に、その患者は、「私がいるのに自分を受け持たないのは、自分が冷たくしたからではないか」と思ったらしく、その次の日「今まで悪かった」と謝罪されました。
私も気持ちを理解できず辛い思いをさせたことを謝罪し、それを機に打ち解け、無事に退院の日を迎えました。
1年目の頃にも、看護師を選り好みする患者から「来ないで」と言われたことがありますが、「〇〇さんの看護をしたいので、介助の方法を教えてください」と患者に伝えたところ、真意が伝わり介入させてもらえるようになりました。
患者から拒否されたりすることもあるかもしれません。
けれど私は患者から決して逃げず、その患者の言動には理由があり、辛い入院生活を虐げられている患者の気持ちや、その人の背景にあるものを理解できるように、努めたいと思いました。