外国人患者さんに英語で対応できる? アメリカの医療現場で実際に使われている、患者さんにもすんなり伝わる簡単な医療英語をマスターしよう!
患者さんに一番近い存在の看護師は、「今日はどうされましたか?」から始め、症状を聞いて患者さんに起こっている健康問題の把握を行います。外国人の患者さんに対してもコミュニケーションを通して主観的情報を収集し、客観的情報と合わせて全身状態の把握が必要ですね。
今回は、不整脈編の症状の聴取に必要なフレーズを事例に沿って紹介します。
不整脈(arrhythmia)は、心臓のリズムが乱れていることを意味します。
心臓のリズムは、洞結節で電気が作られる→房室結節を通って心室に伝わる→心臓の筋肉が収縮する、という電気の流れによってコントロールされており、この電気の流れに何らかの原因で故障やトラブルが起こると脈が乱れて不整脈が起こります。
不整脈の治療のPOINTは、病的に意義のある不整脈かどうかを診断し治療することです。
不整脈の種類は、①脈の速くなる「頻脈性不整脈」、②脈の遅くなる「徐脈性不整脈」、③脈の飛ぶ「期外収縮」の大きく3つに分かれます。不整脈の症状は、自分では全く気がつかないものから、放置すると短時間で死に至る危険な不整脈までさまざまです。
看護師は、OLDCART*に沿った症状のアセスメントを行い、迅速な状態把握と全身観察に努めます。
事例:70歳・女性
数か月前から原因不明の全身倦怠感や疲労感が強くなった。ここ1週間は、家事をするにも息切れやめまい、浮遊感や立ちくらみを自覚するようになり外出が困難となっていた。今朝、洗濯物を干そうと庭へ出たところ、冷や汗とめまいが出現し、目の前が真っ暗になって一時的に意識を失った。夫が庭で倒れている妻を発見し大声で呼びかけると、すぐに意識が回復。歩行可能だったため、夫と共に近医を受診した。
来院時、意識レベルクリア、血圧85/45mmHg、脈32回/分、体温35.8℃、呼吸24回/分、SpO294%
主訴には「数か月前から体がとてもだるかった。今朝、気を失った」と記載されていた。
本日のフレーズ
「数カ月前から体のだるさや疲れが強くなっていますね。何か思い当たることはありませんか?」
前回までは失神に関する問診を中心にフレーズを紹介しました。
今回は、数カ月前から続く全身倦怠感と疲労感について確認しましょう。
さて、みなさんはどう英語で表現しますか?
*OLDCARTとは、Onset(発症)、Location(症状のある部位)、Duration(症状のある持続時間)、Character(症状の性質)、Aggravating/Alleviating factor(増悪・軽減要因)、Radiation(症状の広がり)、Timing(症状がいつ起こるのか)の頭文字をとった症状のアセスメントツールです。