テーマ:患者さん・その家族からの「忘れられない一言」
看護師である前に…
訪問看護での利用者さん
訪問看護で担当している利用者さん。
独居で生保の70歳代男性。
若い頃 やんちゃをして 背中一面に絵が彫ってあって 両手の小指がありません。
訪問時の色々な会話の中で
義理堅いですが、気に入らないことがあると果物ナイフを壁に向かって投げるため ヘルパーさんから恐れられていました。
それでも、訪問時は 今の生活の不安と寂しさ 過去の栄光など色々話してくれました。
「職場を一歩でも出たら…」
ある日 いつものように配薬カレンダーに1週間分をセットしているときに ふと諭すように「あんたさ 家に帰っても 俺たち(利用者さん)のことや仕事のことが気になる質だろ。いつも親身で一生懸命でありがたいよ。
でもな、職場を一歩でも出たら仕事のことを忘れて ただのあんたに戻るんだぞ。あんたには家族も生活もある。それを犠牲にしてまで仕事に打ち込むなんざ 本末転倒だよ。
家に帰ったら 十分に心身を休めるんだぞ。
そして、次の日になったら また元気を届けてくれたら それで良い。あまり頑張りすぎるなよ。」
今でも わたしの宝物の言葉です。