テーマ:私の上京物語
西日だけが入る狭い部屋。
自力で見つけた安いアパートへ
学生寮生活の人間関係に疲れて、卒業試験前に始めた一人暮らし。
バイトでコツコツ貯めた軍資金で安いアパートを見つけた。
6畳一間の部屋で
お風呂は近所の銭湯。今の様にコンビニがあるわけではないので、一つの鍋で、炊飯と味噌汁、簡単な煮物を作った。
親の仕送りもない私の、唯一の電気製品は先輩のお下がり冷蔵庫。洗濯は手洗い。
段ボール箱の食器棚にマグカップと、ドンブリ一つ。衣類と本は押入れの下の段に並べて。テーブル代わりの三段ボックス。
何もないから、6畳一間でも十分な広さだった。
寂しさをいやしてくれた友人
一人の時間がこんなにありがたいのかと思う反面、寂しいと思う事も..。
そんな週末は友人が泊に来て勉強をした。布団は一組しかないから、朝起きるとどちらかが、かけ布団に包まる、敷き布団に包まるスタイルで目覚めた。不思議と風邪も引かず。
約40年前のことだけれど
やがて就職が決まった。
新築の寮で全個室だったので、その友人と隣どうしで入寮。何にも家財道具がなかったので、引っ越しも金銭的にも楽だった。
オンボロアパートで、友人と二人で布団の取り合いした日々は、約40年前の事だが、昨日のような気がする。
看護師として、社会人の第一歩を踏み出したあのアパートはもうないかも知れない・・・。