【老年】Aさん、85歳の女性。2か月前から食欲不振と4kgの体重減少があり来院した。胃癌と診断され手術目的で入院した。1人暮らしで日常生活は自立している。身長148cm、体重38kg。中心静脈カテーテルが挿入され、3日後に全身麻酔での手術が予定されている。Aさんは「点滴の管が心配だから」とトイレ以外は臥床している。体温36.3℃、呼吸数20/分、夜間に時々咳そうがあるが喘鳴はない。
この時期に最も適切な援助はどれか。
呼吸訓練
床上排泄訓練
筋力強化運動
関節可動域訓練
―――以下解答―――
(解答)1
<解説>
1.(○)術後は挿管の刺激などで気道分泌物が増加するが、創痛や加齢による呼吸機能の低下から、分泌物を喀出できずに無期肺や肺炎をおこす危険性がある。そのため呼吸訓練を最も重視して行う。
2.(×)術後、膀胱留置カテーテルを抜去した後はトイレまで歩行が可能になるため、床上排泄訓練の必要性は低い。
3.(×)2か月前から食欲不振と体重減少があるため、筋力増強訓練そのものが体力の消耗につながるため避ける。
4.(×)関節拘縮や拘縮しやすい条件はないため不要である。