日本にいると、国民皆保険の感覚は当たり前です。しかし、この制度が世界中で通用するわけではありません。海外で何かあったときに「知らなかった」では済まされない事態に直面します。それは、短期滞在でも同様です。そこで、自身の経験と調査をもとに、アメリカの最新医療制度事情をまとめました。
自己破産に追い込まれる!?アメリカの医療費
今回は、医療費(その1)のおはなしです。
信じがたいですが、アメリカの自己破産の6割は「医療費」によるものです。
「アメリカの医療費は高い」という認識はあっても、具体的な金額は思い浮かばないのではないでしょうか?
そこで今回は、アメリカ疾病管理予防センターの統計をもとに頻度の高い疾患を挙げて、具体的な医療費の事例をまとめました。
ただし、医療費は州や地域・病院、そして患者さんが健康保険加入者か否かで価格が大幅に変動します。
心臓発作を例に挙げると、信じられないことに同じ診断・手術でも価格は100万円~1億円も違います。また、一人一人の自己負担は加入している保険により大幅に異なります。
それでは、アメリカの心臓発作、各種がんの医療費を日本の手厚く良心的な医療費と比較し紹介します。
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どんぶり勘定を超えた、恐ろしい医療費請求
*1ドル=102円(2014年8月1日現在)
*ここで挙げる請求金額は、入院費のみで在宅医療費は含まれていません。
*高額医療制度を利用した場合の自己負担額は、10万円以下です。
ほぼすべてのがん治療は、在宅医療費を含めると1000万円をゆうに超えます。
さらに、化学療法は外来治療でも1000万円を超えるのが平均的なようです。「自己破産の6割が医療費」というのも納得できますよね。
次回は、「医療費その2」のおはなしです。