新しい発見や出会いがあるのも国際協力ボランティアの醍醐味。今回は、慣れない環境やモンゴル語に奮闘する佐川香奈さんが、現地からの活動レポートをお届けします。
1月の日中。氷の彫刻は晴天でもとけず、きれいな形を保っている。
モンゴルに到着して
一番日本と違うと思ったのは気候。マイナス30度の世界は、思ったよりも寒くなく、日本よりも乾燥しているためか気温に対する寒さはそれほど感じません。
ただ、私はかなり重ね着して、ダウンコートや冬用のブーツを着用。それでも、じっとしていると足からゾクゾクするような冷えがやってきます。
積もった雪は日本のふわふわの雪とは違って、がりがりするような感じで、日が照っていてもマイナス10度後半。日照時間が短いので雪がとけることもなく、氷と化していきます。車道や歩道も凍っているのに、現地の人や車がすべらないのが不思議なぐらい。私はすべってこけました。
外界はそれだけ寒いですが、家の中は温かいです。パールという、日本にあるオイルヒーターと形が似ている暖房器具が家の中についていて、温かいお湯がその中を回ります。そのため、家の中は20度ほどあり、半袖の人もいるくらいです。
また、乾燥が著しいので目や唇、喉の痛みが絶えずありました。目薬、リップクリーム、マスク、うがい、飴など工夫はしましたが、なかなか慣れません。私は外気と室内の気温差と乾燥に打ち勝つことができず、何度か熱を出しました。
他にも驚くことはたくさんありますが、看護師の仕事は体が資本。モンゴルに来たときは慣れることに時間がかかりました。
外国語に挑戦
仕事をする上で必須となる言葉。英語も堪能でない私は、出発前に現地語を少しだけ勉強していたものの、なかなか身に付かず、まったく仕事にならないので、こちらの語学学校に入って勉強することにしました。
モンゴルの外国語教育は現在、ロシア語教育から英語教育へ移行しつつありますが、英語が話せるのは一部の人だけで、現地の言葉でコミュニケーションをとるのが必須となります。
さてモンゴル語
朝日の出る7時半前に暗いなか起きて準備をして、バスに乗って語学学校に通います。私にとって一番の問題は、この語学学校は英語でモンゴル語を教えてくれること。私の少ない英語の知識をふり絞ってもわかるはずもなく、モンゴル人の話す英語の発音には癖があって聞き取れない……。というわけで、学ぶのにも時間がかかります。
午前中は授業を受けて、家に帰ってからその日の授業の復習と宿題をして……。毎日寝るのは午前様。遅いときは3時になることも……。社会人になってこんなに毎日勉強したことがあったかと思うほどでした。
そして、語学学校は、いろいろな国の人がモンゴルに来ていることを知った初めての場所でもありました。韓国、シンガポール、ケニア、ドイツ……。勉強している期間は人それぞれだけど、お互いモンゴル語でコミュニケーションをとります。外国人とのコミュニケーションは英語という認識が強かっただけに違和感が強かったです。
次回の活動レポートに続きます。