『ナースの働き方白書』とは、ナース専科を運営する(株)エス・エム・エスキャリア提供の転職支援サービス「ナース人材バンク」より、お役立ち情報をお届けするコンテンツです。
みなさんは、3・4・5月に残業をすると、「税金」が高くなることをご存知ですか?
この時期に残業をしすぎると、年間数万円が社会保険料に上乗せられるケースも。残業で疲労困憊な上に、保険料まで高くなるなんて!この記事では、春の残業がなぜ保険料の額に関わってくるのか?その仕組みを解説します。
4・5・6月の給料が1年間の保険料を左右する
給料明細をよく見ると、毎月必ず給料から天引きされている健康保険料と厚生年金保険料。それぞれの金額がいくらになるかは、「標準報酬月額」によって決まります。
聞きなれない言葉ですが、「標準報酬月額」とは、皆さんの4・5・6月の給料(月額の報酬)の平均をもとに国が定める金額のこと。ここで定められた金額を、厚生年金保険料の場合は30等級、健康保険料の場合は47等級に分かれている「標準報酬月額表」に当てはめ、その年の9月から翌年8月までの保険料を算出します。
3・4・5月に沢山残業をし、4・5・6月の残業代が増えた場合、翌年8月までの保険料が高くなってしまうという話の裏にはこんな仕組みがあったのです。
年間6万3,000円の差が!?
理屈は何となく分かっても、数字がなければ具体的なイメージは湧きづらいものです。そこで、月給20万円の人が春先に長時間残業を行い、4・5・6月の月給に4万円の残業代が加算された(月額の報酬は24万円)という想定で計算をしてみましょう。
残業代加算で24万/月額の場合
- 厚生年金保険料:1万9,694円/月
- 健康保険料 :1万1,964円/月
残業代ゼロで20万/月額の場合
- 厚生年金保険料:1万6,412円/月
- 健康保険料 :9,970円/月
標準報酬月額が24万円と20万円とでは、月々の社会保険料に5,276円の差が出ることが分かります。 1年間に換算すると、実に6万3,312円もの差となるのです。
ただし、厚生年金保険料を多く払うほど将来もらえる年金の額は増えるので、一概に節約すればいいとは言い切れません。 一方、健康保険料はいくら払ったとしても医療費自己負担は3割で変わりなく、多く支払っても少なく支払っても、同じサービスしか受けられません。
明日できることを今日やらない
集中力が切れた状態で無理やり残業をしても、なかなか成果は出ないもの。今日しなければいけないことと、明日でもできることの区別をつけ、すっきり定時で帰る心がけが、お財布まで救う…と言えるかもしれません。
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