エッセイ

ナースのちょっとイイ話

私の「後悔」を、他の家族にはしてほしくないから…

2017/2/1

テーマ:「看護師を目指す」ことを意識した瞬間

いのちの灯火が消えるとき

sosobo

曾祖母との別れ

物心ついたときから漠然と看護師を目指して人生を歩んで来た私。
そんな私が「看護師を目指す」ことを具体的に意識したのは、曽祖母との別れだった。

一言、声をかけたら…

脳梗塞で倒れて以来、寝たきりになってしまったひいおばあちゃん。
「ついこの間まであんなに元気だったのに…。」顔を見ると泣いてしまいそうで、お見舞いに行くのを避けていた。
いよいよ看取りという時、母に「会いに来なさい!じゃないと後悔する!逃げるんじゃない!」と電話で怒られ、しぶしぶ病院に向かった。
病室に入ると親族一同勢揃い。
勇気を出してベッドの横に立ち「おばあちゃん…」とたった一言だけ声をかけた。
その直後、心停止を知らせるアラームが鳴った。私が初めて経験した人の死だった。

私のように、後悔してほしくない

葬儀が終わり、母にこんな事をいわれた。「あんたが来るの、たぶん待ってたんだよ。あんたの声を聴いて旅立ったんだと思う。」
初めて涙が出た。あの時もっと声をかけておけば、もっと感謝を伝えていれば…。思い付くのは後悔ばかり。
私は患者さんとその家族に、後悔だけはしてほしくない。
大切な人との別れは遺された人にとっては辛く悲しい事かもしれない。
しかしそこに1つでも楽しかった思い出があれば、悲しみはいつか薄れていく。
でも後悔が残れば、その悲しみをいつまでも抱えて生きていかなけれればならくなる。
患者さんと家族が幸せな最期を迎えられるように、看護師としてお手伝いが出来たら何よりである。

ひいばあちゃん、ありがとう

いのちの灯火が消えるとき、家族の涙が少しでも後悔なきものになりますように。
最期の時を過ごす患者さんと家族に寄り添える看護師を目指そう、そう思わせてくれた曽祖母には感謝でいっぱいである。
ひいおばあちゃん、そちらの世界はどうですか?

●執筆●かんこ さん

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