• 公開日: 2016/4/6
  • 更新日: 2018/12/13

患者さんとケンカ腰で話す先輩。その理由を聞いてみたら…

テーマ:印象ががらりと変わった先輩

ただぼんやりと死ぬのを待つのは、貴女ならどう?

kenka

患者さんにさえケンカ腰

私から見た60代女性の先輩の印象はいつも怖い存在でした。
茶髪で時折ピアスをして、精神科の患者さんの暴言暴力も何のその…。
「なに?もう一度言ってみな!」「それは出来ない!無理です!」と喧嘩腰な患者さんにも決して負けない方で、私は先輩も言い過ぎな台詞だな…と感じる事がありました。

先輩がケンカ腰なワケ

ある時、先輩が私に教えてくださいました。
「ここにいる患者さんは、自分が死ぬまでここに居るのを知っている。
鍵のかかった空間で、ただぼんやりと死ぬのを待つのは、貴女ならどう?
私はね、人として笑ったり泣いたり怒ったり、こういう感情が必要だと思うの。
精神科の看護師はこういう感情を引き出すことも一つの看護だと思う。
だから私は常に患者さんと真剣に向き合うの。
自分を素直に出さなきゃ相手も決して素直な感情は出さないからね。
コミュニケーションが看護師にとって一番大切な基本技術だよ」と。

私の憧れの先輩に

先輩の患者さんに対する熱い思い、看護に対する思いが伝わり、思わず胸にぐっときました。
今ではその先輩は私の尊敬する憧れのプリセプターさんです。

●執筆●先輩のようになりたい さん

このエッセイは 「ナースエッセイ」 にご応募いただいたものです。
あなたも「想い」を綴ってみませんか? ご参加は こちら から!

関連記事