エッセイ

ナースのちょっとイイ話

看護師としての目標を思い出させてくれた、患者さんの「言葉」

2017/7/5

テーマ:尊敬できる人との出会い

目標を思いだした

mokuhyo

愚痴ひとつこぼさない患者さん

整形外科病棟で新人として働いていました。その頃の私は何をしてもうまくいかず、先輩に怒られてへこむ毎日。
そんな中、癌の転移で片足を大腿から切断した60代の男性の患者さんがいました。
その方は地元では有名なうどん屋の店主でした。
私なら片足を失うことになれば、自暴自棄になったり、毎日泣いてしまうだろうなあ、と思いました。
しかし、その患者さんは毎日リハビリをがんばり、トイレに行くにもナースコールおすのが申し訳ないからと、何でも自分でし、愚痴ひとつこぼすこともありませんでした。

目標を持つ大切さ

ある日、私はその患者さんに聞いてみました。「もっと色々言って下さったり、頼ってくれていいんですよ。何でそんなにがんばれるのですか?」と。
そしたら「わしにはまだ目標があるからな。店に戻って、息子にわしが認めるうどんが作れるようになるまでまだまだ死ねんのや。だけどわしにはもう時間がないのもわかっとる。だから泣いてる暇があれば早く動けるようになって、帰らないとあかんのや。」と。

私に目標を思い出させてくれた

この頃の私は看護師になった目標も忘れ、先輩に怒られないように働くことだけを考えて働いていました。そんな自分が恥ずかしくなりました。
私は末期ガンで何もしてあげれなかった祖父を見て、病気で苦しんでいる人の支えになりたい…と、看護師になったことを思い出しました。
以降、私は辛いことや悲しいことがあるとこの患者さんを思いだし、常に看護師になった目標を思い出すようにしています。

●執筆●なな さん

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