外国人患者さんに英語で対応できる? アメリカの医療現場で実際に使われている、患者さんにもすんなり伝わる簡単な医療英語をマスターしよう!
患者さんに一番近い存在の看護師は、「今日はどうされましたか?」から始め、症状を聞いて患者さんにおこっている健康問題の把握を行います。外国人の患者さんに対してもコミュニケーションを通して主観的情報を収集し、客観的情報と合わせて全身状態の把握が必要ですね。
今回は、急性心筋梗塞の症状の聴取に必要なフレーズを紹介します。
急性心筋梗塞の治療のPOINTは、早期診断と早期治療です。
急性心筋梗塞の患者さんが、来院してから冠動脈の閉塞部位の再灌流までの時間:DTBT(Door To Balloon Time)は、循環器のガイドラインにより90分以内が望ましいとされています。DTBTが早ければ早いほど救命率は上がり、その後の社会復帰に影響を及ぼします。
看護師は、すぐにバイタルサインの測定と12誘導、点滴ラインの確保や心筋梗塞の初期治療として知られるMONA(モルヒネ、酸素、硝酸薬、アスピリン)1)投与の準備・実施を行います。同時にOLDCART2)に沿った症状のアセスメントを行います。
以下の事例にそって、急性心筋梗塞症状の把握に必要なフレーズを紹介します。
事例:70歳・女性
買い物帰りに突然の胃部不快感と圧迫感を感じ、数回嘔吐する。帰宅後に市販の胃薬を服用するが症状は改善せず、顔面蒼白・額からの汗が止まらないため、夫と共に救急外来を受診した。
本日のフレーズ
「顔が真っ青ですね。冷や汗もすごいですね。この症状も胃に不快感が出てからですか?」
女性の心筋梗塞は、4割以上が胸痛を訴えないと言われています。心筋梗塞のサインを見逃さないよう、OLDCARTに沿って症状を把握していきましょう。今回は主訴以外の症状:顔面蒼白と冷や汗に注目し、循環器疾患の可能性を探っていきます。
さて、みなさんはどう英語で表現しますか?
1)MONAとは、Morphine, Oxygen, Nitrate, Aspirinの頭文字をとった心筋梗塞の初期治療です。
2)OLDCARTとは、Onset(発症),Location(症状のある部位),Duration(症状のある持続時間),Character(症状の性質), Aggravating/Alleviating factor(増悪・軽減要因),Radiation(症状の広がり),Timing (症状がいつ起こるのか) の頭文字をとった症状のアセスメントツールです。