• 公開日: 2014/12/17
  • 更新日: 2018/12/13

看護師新人時代。患者さんを守れなかった悔しさを、振り返るたびに思い出す

テーマ:忘れられない患者さん

初心を忘れない

DMの教育入院できた患者さん

新人の時、糖尿病で教育入院中の女性患者さんがいました。
たまたま内科の病棟が満室だったため、私の務める脳神経外科病棟に入院されました。

女性患者さんはいつも食事制限や血糖値の自己測定、運動療法も毎日がんばっておられました。しかし、なかなか血糖値が安定しませんでした。

ある日、主治医が女性患者さんの目の前でぼそりと、「内緒で間食してないのかな?」と言うのです。

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原因は、Dr.のコントロールが上手くいってなかったから

女性患者さんは真面目に、本当に真面目に自身で出来る事を毎日がんばっておられました。

間食を目撃するスタッフもいません。
スタッフみんなが「彼女は頑張っているのに、なかなかコントロール出来なくて辛いよね。インスリン注射量がコントロールされてないよね。」と言っている程です。主治医のインスリンコントロールが上手く行っていないのです。 患者さんが精一杯頑張っておられるのに。

女性患者さんは医師に「間食してないです。」としか言えませんでした。
医師が去った後、「こんなに頑張っているのに、もうどうしたらいいか分からない。」と涙されました。

新人だった私には女性患者さんの思いを傾聴して先輩に報告するのが精一杯。
患者さんを守れなかった自分の未熟さがとても悔しかったです。

頼れるナースにならなくては

女性患者さんはどうにか血糖コントロールが出来るようになり退院されました。

退院間際に、「あなたの優しい言葉に励まされたのよ。あなたも頑張ってね。」と声をかけていただきました。とっても嬉しかったですが、もっと勉強して患者さんをしっかり守れる頼りになる看護師にならなくてはと思いました。

初心を思い出す時にいつも目に浮かぶ患者さんです。

●執筆●日々精進 さん

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