キャリア
  • 公開日: 2022/7/13

入職3年目は看護師キャリアの分岐点?習得すべきスキルと転職状況

看護師の3年目は仕事にも慣れてきて、リーダーを任されることも多くなってくる時期です。一方で、あらためて自分のキャリアを見つめ直し、次のステップを模索したくなる時期でもあります。今回は、スキルアップやキャリア形成において分岐点となる3年目の看護師が押さえておきたいポイントや、求められる能力について解説します。

看護師3年目から考えるべきキャリアと人生設計

ひととおり仕事にも慣れ、後輩も入ってきて少し余裕が生まれるこの時期。奨学金の返済の区切りがついたり、これからのことに目を向けるようになったり、退職や転職を考え始めたりするのが看護師3年目頃ともいわれています。ナース専科が行ったアンケートでも入職してからはじめて転職を考え始める時期、実際にはじめて転職をした時期として多くの人が看護師3年目前後と回答しています。

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これから看護師としてどんなふうに働いていくか悩み、不安に思うことが多いかもしれません。看護師3年目は、キャリアを考えるうえで最初の分岐点ともいえるでしょう。この時期に、考えるべきキャリアと人生設計のポイントについてみていきましょう。

クリニカルラダーから読み解く3年目看護師に求められる能力

キャリアを考えるうえで、ひとつ指標となるのがクリニカルラダーとキャリアラダーです。多くの施設が、日本看護協会が開発したクリニカルラダーに沿って、施設ごとのラダーを作成し、活用しています。

クリニカルラダー/ステップイメージ

入職3年目はラダーレベルのⅠ~Ⅱに該当することが多い

3年目は、ラダーレベルでいうとレベルⅠ~Ⅱに当てはまることが多いのではないでしょうか。レベルⅠの「基本的な看護手順に従い必要に応じ助言を得て看護を実践する」からレベルⅡの「標準的な看護計画に基づき自立して看護を実践する」に移るあたりではないかと思います。助言を受けながら、もしくは自ら患者さんのニーズをとらえ、それに応じた看護の提供ができるレベルです。施設や部署などによって細かな違いはありますが、3年目になると日勤や夜勤、休日勤務などを自分で決め、後輩指導やリーダー業務に入るようにもなってくる頃です。プライマリーナースとして、患者さんを最初から最後までひとりで受け持って看護展開をし、関係者と情報交換ができる、ケースレポートや看護研究などをラダー評価の指標としていることもあります。

クリニカルラダー/レベル解説

引用:看護師のクリニカルラダー(日本看護協会版)

そして、ラダーに沿ってみていくと、次はラダーレベルⅢです。Ⅲは「ケアの受け手に合う個別的な看護を実践する」です。患者さんの特性を踏まえたニーズをとらえることができ、それに応じた看護の提供、関係者や他職種との連携ができる力も求められます。リーダー業務や委員会活動などでは、メンバーの看護師や病棟の患者さんの対応だけではなく、医師や薬剤師、リハビリ職種など他職種との連携場面も増えてきます。

注意しなければならないのは、転職するとラダーはⅠから再スタートとなるところや、前職の経験を反映し、Ⅱ~Ⅲからスタートとなるところもあり、さまざまであるということです。ラダーが給与体系に紐づけられているところもあります。

クリニカルラダーとキャリアラダーの違い

キャリアを考えるうえでクリニカルラダーとキャリアラダーが指標となると述べましたが、両者の違いは、クリニカルラダーが看護実践に特化した指標であるのに対して、キャリアラダーは管理的な能力の段階も含めたものであることです。キャリアラダーは看護師5~7年目以上の管理職や認定、専門看護師などの専門的な能力の発達や開発においてのラダーであり、その立場や資格保有者の役割として求められる教育指導やマネジメントなどの項目がメインとなります。長く看護師を続け、キャリアアップを考えるなかでは、経験の積み重ねとスキルアップと同時に、教育指導やマネジメントなどの素質も大事なことでもあります。施設によってはキャリアラダーを独自に活用しているところもあれば、クリニカルラダーに組み込んで活用しているところもあります。自施設や転職を考えている場所のラダーについて、チェックしてみましょう。

キャリアラダー

看護師人生で3年目が大切な理由

3年目でキャリアを考えはじめることが大切な理由としては、20代のうちに着実に経験を積んでいた方が後々のキャリアの選択で幅が広がるためで、大事な下積みの時期でもあります。キャリアラダーでも出てきたように、専門職などのスペシャリストを目指すのか、管理者などのマネジメントを目指すのか、または診療科に特化せずさまざまな知識や技術を身に着けるジェネラリストを目指すのかによって、いま考えること、取る行動が変わってくるのではないでしょうか。

転職?今の職場で働き続ける?自身のキャリアを考える

転職を検討する場合

ひと昔前までは、看護師はどこも人手不足であり、転職をしてもどこでも内定がもらえる状況でした。しかし、看護大学の新設ラッシュなどに伴い、現在は状況が少し変わってきています。その時になって考えればいいという、手あたり次第でもそれほど困らなかった看護師の転職ですが、現状では大学病院や大きな総合病院では新卒しかとらずに、中途採用は中止しているところや、書類選考で落ちるというところもあります。また、30代になってから経験を積もうと考えていると、即戦力として考えられてしまい、教育制度などもあってないようなこともあるので注意が必要です。入職3年目だと年齢は20代なかばという人が大半だと思われます。マーケット的にも一定のスキルをもった人材として人気の傾向にあるようです。

今の職場で働き続ける場合

今の職場で働き続ける場合も、将来自分はどんな看護師になりたいかを明確にしてそれを目標として設定する必要があります。また、その目標を達成するために自身がやるべきことを洗い出してタスク化してスケジューリングするようにしましょう。

キャリアプランニングは早くから

これらの状況を踏まえて、早くからキャリアについて考えることが重要になってきます。看護師1~3年目は、社会人として新しい環境に入り、たくさんのことを覚え、技術を磨いていると、あっという間に毎日が過ぎてしまう時期かもしれません。目の前の仕事を確実にクリアすることももちろん大切ですが、次なる目標の意識、早い段階からのキャリア意識が、自身の成長の後押しとなっていくことでしょう。

看護師からのキャリアチェンジの可能性を検討してみる

看護師として病院や施設など以外にも訪問看護や学校、企業など働く場所がさまざま広がっていることも、キャリアを考えるうえで大切なことです。選択肢が増えるのは喜ばしいことですが、その分悩むことになるかもしれません。自分のやりたいこと、思い描く働き方、自分に合うキャリアがどのようなものなのか、自分のなかで整理する必要があります。

キャリアとライフプランを明確にするために必要な4つのこと

1:看護師としての人生を俯瞰する

看護師として長く働くうえで、今後のライフプランについても考えていく必要があります。女性の場合には妊娠、出産などがあり、他にも結婚や子育て、介護などの状況で働き方も変わってくるかもしれません。看護師の仕事はシフトで夜勤があったり、体力仕事な面もあったりするため、ずっと現場で働くことが続けられる保障はありません。そのため、看護師として自分の人生を俯瞰的にみていくことも必要です。

2:職場環境とワークライフバランスを考える

看護師として働く場所が増えたこともあり、常勤やパート以外にも働き方の選択肢は増えています。ライフプランを考えるなかで、「病院でずっと働きたいけど、今のペースでやるのはしんどい」「子どもが小さいうちは残業があるのは厳しい」などの悩みも出てくるでしょう。そうしたときに、常勤という選択肢だけでなく、例えば16時までの時短勤務や週4常勤、日勤常勤など、一時的に切り替えて働くこともできる職場も増えてきています。訪問看護などだと、件数制や時給制を採用しているところもあり、時間単位で働き方を調整しやすいこともあります。

3:ライフイベントとマネープランを考える

ライフイベントやライフプランを考えるうえで、お金の問題も切り離せない問題です。どの時期にどのくらいのお金が必要になるのか、いまからどのくらいお金の調整、貯金をすればいいのかイメージがつけば準備できることも多いでしょう。

4:キャリアやライフプランの見本となるモデルや事例がいないか探す

キャリアの参考としてさまざまな看護師のキャリアのパターンを知っておくことも重要です。ここでは3人のキャリアを紹介するので参考にしてみてください。
事例・モデル1:30代保育園看護師
小児科病棟で5年、内科病棟で3年勤めた後、結婚して現在は保育園看護師として働いています。土日祝日、年末年始なども休みでカレンダー通りの仕事になったので、週末は夫と趣味のドライブでカフェや美味しい食べ物巡りに出かけたりしています。
事例・モデル2:40代病棟看護師
総合病院の外科病棟で4年、その後ワーホリで2年オーストラリアにいました。帰国後は別の総合病院の外科で6年勤務後、ICUに異動となり、現在は主任として勤務。キャンプ、宝塚観劇などが趣味で、休みの日は友人と出かけています。
事例・モデル3:50代施設看護師

総合病院で外科病棟や外来で10年働いた後、結婚出産子育てで7年ほど看護師を離れブランクがあります。40代では派遣で週2~3日クリニックや施設、健診などで勤務。子どもも大きくなり、時間もできたので40代後半から施設看護師として看護小規模多機能型居宅介護施設で常勤看護師として勤務。現在は看護師長をしています。看護学校の同期やママ友とお茶したり、趣味のお花の教室などに通ったりして日々を楽しんでいます。

看護師3年目はキャリアとライフプランを固める重要な時期

あらためて看護師3年目はキャリアとライフプランを考えるうえで大事な時期であることがわかったかと思います。将来のことやお金のことを考えると不安になったりするかもしれませんが、仕事も生活も楽しむためにキャリアやお金のことについても結び付けて考えてみると、キャリア・ライフプランも楽しくなるかもしれません。自分のやりたいことや、思い描く働き方など、日頃から考え、将来に向けていまから準備していきましょう。

【参考】

  • 看護師のクリニカルラダー(日本看護協会版)
  • 「看護師のクリニカルラダー(日本看護協会版)」 活用のための手引き(日本看護協会)p.2~3
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