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  • 公開日: 2022/3/4

看護師の休暇(休み)を解説。シフト勤務でも理想の働き方を実現する

シフト勤務で忙しい看護師にとって、身体を休める休日は働くうえで大事な要素ではないでしょうか。今回は看護師の休日日数や有給休暇、長期休暇などの実態や充実した休日が過ごせるような工夫について紹介していきます。

看護師の休みと休暇事情

休日・休暇を利用して休むことは労働者の権利として保障されています。看護師の休日・休暇取得事情を理解したうえで、シフトや変則的な勤務のなかでも自分の働き方やライフスタイルに合った休暇が取得できる方法を模索しましょう。

看護師の働き方の理想と現実

看護師に働き方に関してアンケート。「就労環境に関するアンケート」では、職場の労働条件に関する不満のなかで「有給休暇がとれない・勝手につけられている」「休み希望がとりにくい」「休みが少ない」などがあげられました。また、ワークライフバランスに関しては理想とするものと現実的に感じるものに関して以下のような解答が得られました。

理想のワークライフバランス

Q:理想のワークライフバランス(仕事と生活の調和)の割合はどのくらいだと考えますか?

1位/仕事5:プライベート5(38.87%)
2位/仕事3:プライベート7(22.11%)
3位/仕事4:プライベート6(19.88%)
4位/仕事6:プライベート4(6.38%)
5位/仕事2:プライベート8(6.08%)

ナース専科調べ(2021年9月29日/有効回答数:674)

現実のワークライフバランス

Q:現在のワークライフバランス(仕事と生活の調和)の割合はどのくらいだと考えますか?

1位/仕事7:プライベート3(25.07%)
2位/仕事5:プライベート5(19.14%)
3位/仕事6:プライベート4(15.28%)
4位/仕事8:プライベート2(12.61%)
5位/仕事4:プライベート6(8.75%)

ナース専科調べ(2021年9月29日/有効回答数:674)

現在の業務のワークライフバランス(仕事と生活の調和)の割合は「仕事7:プライベート3」と答えた人が一番多いことがわかりましたが、理想のワークライフバランスの割合としては、「仕事5:プライベート5」が一番多くなりました。今よりも生活の質を上げたいということがみてとれます。そして、勤務先の働き方改革で取り組んでいるもの、改善されたと感じるものとしては、有給休暇の推進が一番多くあげられました。

Q:勤務先が働き方改革に取り組んでいると感じた方に質問です。働き方のどのようなことが改善されたと感じますか?(複数選択)

1位/有給休暇の推進(29.31%)
2位/長時間労働の改善(19.54%)
3位/業務効率の改善の取り組み(18.39%)
4位/多様な働き方の推進(15.52%)
5位/高齢者雇用の促進(定年引上げ、シニア雇用促進)(10.63%)

ナース専科調べ(2021年9月29日/有効回答数:348)

週休形態、所定年間休日総数、年次有給休暇取得率の実態

日本看護協会が行った2020年病院看護実態調査では、休日に関する項目は以下のような結果でした。

・週休形態
週休2日(4週に8日の休日)が47.9%で最も多く、次いで週休2日(1週に必ず2日の休日)が25.5%。

・所定年間休日総数
120~130日未満が40.2%で最も多く、次いで110~120日未満が29.4%、100~110日未満が16.4%。平均は117.1日。

・年次有給休暇取得率
2019年度の正規雇用看護職員の年次有給休暇の取得率は、50~60%未満が15.2%で最も多く、次いで60~70%未満が14.5%、40~50%未満が13.0%。平均は60.5%。

これらを参考に、自身が働く職場の状況を把握し、転職を検討する場合には判断材料のひとつとして見極めていきましょう。

法定休暇と法定外休暇(特別休暇)

休暇の種類には法律で定められた「法定休暇」と職場独自で定めた「法定外休暇(特別休暇)」があります。

法定休暇

スタッフから申請があった場合、雇用主はスタッフを休ませなければならない義務があります。

休暇の種類や制度を解説

①年次有給休暇

労働基準法では2019年4月から、「年5日の年次有給休暇の確実な取得」として年5日の年次有給休暇が義務付けられるようになりました。もともと、年次有給休暇の日数は法律で決められています。業種や業態にかかわらず、正社員、パートタイム労働者など関係なく、一定の要件を満たした全ての労働者に対して、年次有給休暇を与えられるものです。

引用:年次有給休暇の付与日数は法律で決まっています(厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署)

雇用主はスタッフが雇用入れの日から6か月間継続(全労働日の8割以上を出勤)して勤務した場合には、原則として10日の年次有給休暇を与えなければなりません。パートの場合には、週の労働時間や日数に応じて年次有給休暇が与えられます。対象となるのは、週の労働時間が30時間未満で、かつ週の労働日数が4日以下、または年間216日以下のものです。

②産前・産後休業(労働基準法)

労働基準法では、出産予定日の6週間前(双子以上の場合は14週間前)から、請求すれば産前休業の取得が可能です。また、産後休業では出産の翌日から8週間は就業することができません。ただし、産後6週間を経過後に本人が請求し、医師が認めた場合は就業することができます。

③育児休業/介護休業

育児介護休業法では、育児休業は原則として1歳に満たない子を養育するための休業です。また、子の看護休業として、小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者は、病気や怪我をした際の看護、予防接種・健康診断の受診のために、1年に5日まで(子が2人以上の場合は10日まで)休暇が取得できます。

介護休業に関しても、2週間以上にわたり常時介護を要する状態の家族(配偶者、父母、子など)を介護するための休業が1年に5日まで(対象家族が2人以上の場合は10日まで)あります。子の看護休業と介護休業に関しては、2021年1月1日からは時間単位での取得が可能となりました。

④生理休暇

労働基準法では、生理日の腹痛や腰痛などにより就業が著しく困難な女性が休暇を申請することができ、生理日に就業させることはできません。休暇の日数は個人によって症状の程度や期間が異なるため、限定することはできませんが、半日または時間単位での申請も可能です。

法定外休暇(特別休暇)

職場独自で定めた休暇制度であるため、有給にするか無給にするかは職場によって様々です。例えば、以下の要な休暇があります。

  • 結婚休暇:結婚式の前後で取得できる数日~1週間ほどの休暇
  • 忌引き休暇:親族が亡くなったその日、または翌日から起算して数日取得できる休暇
  • リフレッシュ休暇:勤続年数によって心身共にリフレッシュしてもらうことを目的とした休暇
  • アニバーサリー休暇:本人や子どもの誕生日や、結婚記念日に休みを取得できる休暇

それぞれの職場で規則は異なりますが、こうした特別休暇の制度を福利厚生としてアピールしていることもあります。

シフトの特性から休み(休暇)が取得しづらい

ナース専科で実施した看護師を対象にした「現在の勤務先の労働条件(賃金・労働時間・勤務形態・休日・年次有給休暇など)に対してどのように感じますか?」とのアンケートのなかで、「不満がある」と回答した人からは、以下のような回答が寄せられました。

  • 年5日の有給の消化が必須なのにとても取得できる状態ではない
  • 有給休暇を自由にとれない
  • 毎年、有給休暇が流れるので消化させてほしい
  • 有給が全て消化できるくらいにスタッフを増やして!
  • 有給消化率を上げるための多様性のある働き方を推進してほしい

人手不足が引き起こす休みが取得できない労働環境

この結果からもわかるように、労働環境の不満では有給休暇の消化率に関する声が多くありました。その原因として考えられるのは、慢性的な人手不足はもちろん、数十人からなる看護師のシフトの組み合わせの難しさからです。その日に頭数だけ揃っていればいいわけではなく、その日の管理者やリーダー、後輩指導ができるメンバーなど、知識や技術、経験年数などのバランスをみて組まなければなりません。それに加え、それぞれが連続勤務にならないようにしたり、本人の休み希望を考慮したりするため、シフト作成はかなりスキルが必要なものとなります。最近ではシフト作成ソフトなどフォローするものもありますが、それでもシフト作成者の負担は大きいものです。そのため、職場の特性や看護師の人数によって、こうした休みが自由にとりにくいということが起こるのです。

そのため、月にとれる休み希望の制限がある、誰かが連休をとることで、他のスタッフにしわ寄せがいくということも起こるでしょう。お互い様ではありますが、そのバランスを管理者はみなければなりません。今後も働き方改革のなかでも課題となることでしょう。シフトは自分だけでなく、一緒に働くメンバーやスタッフとの組み合わせで成り立っていることを理解しましょう。

働く場所によって休み(休暇)事情は違う

病棟勤務などは24時間365日稼働しているため、シフト勤務で日勤も夜勤もあるものですが、働く場所によって休日事情は異なります。いくつか例をあげてみましょう。

・入所施設や通所施設:看護師は日勤のみ、土日祝日は休みと決められていることもあります。

・クリニック:一般的なクリニックでは平日と土曜日は午前診療。美容クリニックでは、土日診療の火曜日や水曜日が休診。ビジネス街にあるクリニックでは土日が休診、というようにクリニックや地域の特性によって曜日固定で診療のありなしが決められていることが多いです。お盆や年末年始の長期休みがあるところも多いです。

・企業:カレンダー通りの土日祝日休み、お盆や年末年始の長期休みもあることが多いです。自分の生活スタイルによっては、平日休みがほしい、土日休みがほしいという様々な考えもあるでしょう。どのような休日事情があるかは職場を選ぶ際の大事なポイントのもひとつです。

必要な休暇取得のための看護師自身がするべき工夫は?

看護師がすべき工夫は以下のようなものがあります。休みがとりにくい看護師の現場ではありますが、休みをとりやすくするために実践しましょう。

早めに、具体的に休み(休暇)の申請をする

基本とも言えますが意外とできていない早めの休暇申請。旅行や友人の結婚式など、早くに予定が決まっていて外せない場合には、早めに管理者に相談し、外せない用事であることを伝えておくことです。早い者勝ちではありませんが、たとえ休み希望が重なってしまっても、優先して休みをとらせてくれる可能性が高まります。

長期の休みを取得は適切な引継ぎを行う

数日休み希望を出す場合には、自分のプライマリーや委員会、後輩指導の件など、前もってスタッフに引き継ぎを行うことも大切です。自分がいない間にフォローしてもらうため丸投げにせず、うまくスタッフ同士協力していきましょう。他のスタッフが休むときにも同様です。

月またぎを狙う、転職の合間でとるなど

数日休み希望を出したいけど、なかなか言いにくい…と言う場合には、月またぎなどで希望を出すのもひとつの方法です。月末に2日、翌月の月初めに2日で計4日間。いきなり4日間休むよりも言いだしやすいです。また、数週間以上の休みはなかなかとれないため、転職の合間で海外旅行にいったり、短期留学に行ったりする人もいます。現在の職場の退職日と、次の転職の入職日も相談してみるのもひとつの方法です。

休み(休暇)を取得することは労働者の権利

休むことは労働者の権利として保障されています。法律や制度、働き方改革の概要などを理解しつつ、自分の働き方、ライフスタイルに合った休暇の取得方法を模索したいですね。

引用・参考

1)年次有給休暇の付与日数は法律で決まっています(厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署)
https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/dl/140811-3.pdf
2)2020年 病院看護実態調査 報告書(日本看護協会)
https://www.nurse.or.jp/home/publication/pdf/research/96.pdf

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